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第1特集
マンガとヒップホップは付かず離れず?

MCバトルマンガはスポ根!? マンガ史ラップ描写の変遷―― Yo!Yo!なんて古すぎる!

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――「バトルがアツい!」「マイクに込められたリアルを感じろ!」「これがラップ入門マンガ!」――これらは近年量産されているラップを題材にしたマンガの煽り文句。なぜ、いまラップマンガが注目されているのか? マンガ史におけるヒップホップカルチャーの歴史的変遷を考察していこう。

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「ラップのことなら私にお任せ!」ご存じ、服部昇大先生が描く日本語ラップガイド本『日ポン語ラップの美ー子ちゃん』。この作品をきっかけに服部先生は6代目・日ペンの美子ちゃんとなり、大きく羽ばたく。

 先ごろ来日公演を終えたばかりのマライア・キャリーの新作にフィーチャリングで参加したKOHH、バラエティ番組でラップに挑戦したり、CMでラップを披露する芸能人、そして放送開始から4年目に突入しても衰えを見せない人気番組『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)。近年、日本国内で、ラップを軸としたヒップホップカルチャーが大きな盛り上がりを見せている。そしてその余波は、マンガ業界へも流れ込んできている。しかし、盛り上がっているからといって、皆が皆、手放しで評価するほど世間は甘くない。なぜなら、いまだに「日本語ラップとかサムいし、イタい」と感じている層が少なからず存在するからだ。

「常にYo!Yo! チェケラッチョ言いながら、隙あらば親に感謝する曲を歌って、しかも歌詞はダジャレ」――こうした批判は、ある意味で的を射ているかもしれない。なぜなら、これまでのマンガで描かれてきたラップ、引いてはヒップホップカルチャーは、そうしたステレオタイプの描写が多かったからだ。

 そもそもヒップホップカルチャーとは、1970年代初期にアメリカ・ニューヨークで産声をあげた〈DJ/ラップ/ブレイクダンス/グラフィティ〉の4大要素で構成される文化である。こうして改めて並べてみると、ラップ以外はマンガの中で幾度となく描かれてきた感がある。例えばグラフィティは、マンガの中で荒廃したストリートが登場する際に、壁や車などに描かれていた。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)の人気企画「ダンス甲子園」が一世を風靡すると、ブレイクダンスを採用したダンスマンガが散見された。それこそDJに至っては、クラブやディスコを描写するシーン以外でも、いともたやすく登場していたように思う。

 しかし、冒頭で述べた通り、近年はラップにスポットを当てた作品が多く見受けられるようになった。本稿では、そんなラップやラッパー、ひいてはヒップホップカルチャーがマンガでどう描かれ、成長してきたかの変遷を追ってみたい。

真性ラッパーは登場せず黎明期はあくまで一要素

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