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写真時評~モンタージュ 現在×過去~

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P・T・バーナム著『闘争と勝利』(1871年版/著者蔵)より「偉大な公爵と小さな将軍」

 興行師のP・T・バーナムが1842年にニューヨークに開館させた「アメリカン博物館」に出演していたフリークの中でも、小人症の「親指トム将軍」ことチャールズ・シャーウッド・ストラットンは、もっとも知られ、成功したうちのひとりに違いない。

 小人たちは、古来から「ミジェット」「リリパット人」「ホビット」「ピグミー」「ノーム」などさまざまに呼ばれ、展示や蒐集の対象となってきた。「ミジェット」という言葉が均整の取れた小人の呼称として使われるのに対して、「ドワーフ」のほうは、頭が大きく足の短い髭面のグロテスクな小人のイメージがある。小人たちは畏怖と憧憬の入り混じったさまざまな呼称で呼ばれながら、古今東西の物語を彩ってきたのだ。

『フリークス 秘められた自己の神話とイメージ』(青土社/1986年)の著者、レスリー・フィードラーによれば、かつて魔術的なアウラを持ち、ときに敬慕される対象であった小人たちの非神話化の過程が完成するのが、ストラットンらが活躍した、19世紀後半のヴィクトリア朝の時代なのだという。彼らは同情され、治療されるべき存在であると同時に、よそからの「外交使節」のようにして人々の前に登場したのである。

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