――編集部が独断と偏見でジャニーズキラキラ映画ベスト3をチョイス。ドラマ評論家の成馬零一氏に見どころを評論してもらった。
■キラキラ映画バブルの走り
『僕等がいた』
(前篇12年3月、後篇4月公開)
監督:三木孝浩/配給:東宝、アスミック・エース/出演:生田斗真・吉高由里子/興収:前篇25.2億、後篇17.2億円
原作は『ベツコミ』(小学館)で連載された小畑友紀の同名作。大ヒットを記録した今作だが、製作陣のクレジットには藤島ジュリー景子の名があり、ジャニーズ肝煎りの一作だったことがうかがえる。
(成馬評)
生田斗真を筆頭に主演俳優の実年齢が高いため、学園モノとしてはツライかと思ったが、学園青春ドラマ中心の前篇パートは前振りで、本作の面白さは後篇にある。物語の中心にあるのは、母親も含めためんどくさい女に次々とひっかかってはヒドイ目に遭ってやさぐれていく矢野くん(生田斗真)の地獄めぐりの人生で、さわやか青春映画だと思っていたら、昔の野島伸司脚本のドロドロドラマみたいで驚いた。その意味で健全なヒロインの高橋七美(吉高由里子)よりも、ライバル役のメガネ女・山本有里(本仮屋ユイカ)の屈折のほうが見応えあり。