『下町ロケット ヤタガラス』(小学館)
今年の「ブラック企業大賞」は佃製作所で決まり?
阿部寛主演のドラマ『下町ロケット』第4話が11月4日に放送され、視聴率13.3%を記録。裏で羽生結弦が優勝したフィギュアスケートが放送されていたが、物ともしない強さを見せつけた。
しかし、視聴者からは阿部が社長を務める佃製作所の労働環境に疑問を呈す声が上がったようだ。
「今作は物語の中心がロケットからトラクターに移りました。内容もモノづくりにかける熱い思いをストレートに描いた前作と違い、協業する『ギアゴースト社』が抱える訴訟話がメイン。特許侵害、信用調査、内通者といった陰謀ネタが多く、爽快感はあまり感じられません」(テレビ誌ライター)
第4話では、ギアゴースト社が抱える訴訟問題に際して、佃製作所の顧問弁護士の助言で阿部が従業員にある業務を課すのだが……。
「社長の『頼むぞ、お前ら』の一言でギアゴーストが訴訟を戦うための材料となる論文を、大量の段ボール箱の中から社員総動員で探すことに。存在するかもわからない宝探しのような確率、目を通すだけでも頭が痛くなりそうな文面、それも他社のための作業です。しかも、それがとある大学にあるかもしれないという阿部の思い付きで、社員が大挙して大学に行って探しまくる。はっきりいって、技術者がやる仕事ではありませんし、ギアゴースト社は普通に通常業務を行っているのですから、たまったものじゃないでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
これにはネット上で「ブラック企業」との声が連打されていたが、週刊誌記者も苦笑してこう続ける。
「2話でも訴訟相手が逆にギアゴースト社の特許を侵害していないか、相手方の部品を本来の業務を投げ出してくまなく精査させられた結果、ムダ骨でした。他にも、帝国重工のムチャ振りに応えるため、夜を徹して作業して青ざめた顔で床に座り込むほど働いたかと思えば、社長の思い付きで休日に経理部長の実家の田んぼを手伝わされたりもしています。佃製作所では給料の話はタブー視されているのか、結果を残しても、徹夜で残業しても、休日出勤しても、他社の業務を時間外労働させられても給料が上がるような描写はありません。あくまで金や出世ではなく、『夢のために』働かされている。ドラマとして見ると胸が熱くなりますが、完全なる“やりがい搾取”ですよ」
佃製作所が労働基準法を守っているのか、はなはだ疑問だ。