『永野芽郁』
9月で終了した永野芽郁主演『半分、青い。』(NHK)。これまでの朝ドラとは一線を画す内容だったということもあり、一部からは批判の声も上がっていた。ただ、そういう人に限って細かなツッコミを入れようと、ガッツリ視聴していたためか、平均視聴率は『あまちゃん』より高くなっていた。
ロスである。三浦和義「ロス疑惑」のロスではない。NHK連続テレビ小説『半分、青い。』ロスなのだ。
視聴率が良かったわりに賛否両論あり、結構厳しい意見も飛び交っていた本作だが、まあ確かに万人受けする話ではないのかもしれない。
1971年7月7日、岐阜県梟町で同じ日に同じ病院で生まれた鈴愛(すずめ/永野芽郁)と律(佐藤健)。共に育った2人は、互いのことを誰よりも理解し合いながらもつかず離れずの関係のまま大人になり、上京。しかし、それまでのような関係を維持できなくなったため、お互い別々の道を歩むことに。その後、鈴愛は夢に挫折し、結婚、出産、離婚を経て、帰郷。そこで律と運命の再会……なんやかんやあってお互い40歳になった7月7日に晴れて結ばれるという、私のような夢を抱いて上京し何者にもなれなかった40過ぎの独身男としては、非常に身に染みる話である。特に後半のアラフォー時代の話は、夢破れ、それでも生きていかなくてはならない中年の姿に励まされ、何より2人の関係の進展具合を見るにつけ、「アラフォーでも恋していいんだ!」と勇気をもらった。なんなら、勢い余って一旦田舎に帰ろうとしたぐらいである。恋仲になるような幼なじみなどいやしないのに。
いや、実は私が忘れているだけで、本当はいるんじゃねーかと、隠してねーかと。「幼なじみはいねーがー!」となまはげばりの勢いで母に、そして私が生まれた病院に問いただそうとしたぐらいだ。
実際は軽口で母に聞いてみただけだが、やはり「いない」とのこと。ただ驚いたのは、問い合わせようとしていた病院は、実は弟が生まれたところで、私が生まれたのはまったく別のところだったという勘違いが発覚。危うく全然関係ない病院に「私と同じ日に生まれた異性はいませんか?」と尋ねるところだった。完全に頭のおかしい奴である。産婦人科というより、そのまま別の病棟に連れていかれそうな勢いだ。まあ、それはそれで意外としっくりきていたのかもしれないが。