サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  >  監督&作家4人衆が語る『HiGH&LOW』の作り方
1809_DTC_subpicture1_520.jpg
「IIKOTO!」(C)2018「HiGH&LOW」製作委員会

——今回は初めてSWORDの外に出て、しかもアクションはナシという、これまでの作品とはまた別の制約があったと思います。ハイローの世界観を維持しながらまったく異なる作品を作るのは、難しかったのではないでしょうか?

上條 ずっとハイローの美術を手がけている橋本創さんと、ノリさんがすごく話をして、どう世界観を作っていくか相談してましたね。行ける場所も少ないし撮影日数も限られている中で、なんとかバラバラの場所をうまく集めて組み合わせました。

平沼 美術で一番大変だったのは、「普通の温泉街じゃない、SWORDから出たとはいえ、ハイローの世界観の残る温泉街を作ろう」とかってところですね。それと、久保監督はどちらかというと、“緑”を排除して世界観を作っていくタイプなんですよ。だから今回は逆に、「SWORDから出れば緑に頼れるじゃん!」ってことで、「道だろ!」「緑だろ!」「やっぱ空だろ!」って(笑)。

——それで海辺の空撮だったり、緑あふれるツーリングシーンがあったりするわけですね。たしかに、映画を拝見して「SWORDの外はちゃんと自然にあふれてるんだな」と思いました。同時に、観て思ったのが、「公式による二次創作」じゃないか、と。ハイローシリーズのある種象徴でもあるナレーション担当の立木文彦さんが、御本人出演でしかもすごくメタ的なネタをやっていますよね。

平沼 立木さんの出演は、満場一致で「やりたい!」ってなりましたね。

福田 僕は「そんな出し方しちゃっていいんですか?」って言いましたよ。でもノリさんが「いいよ」って言うから、じゃあいいのかな、と。

渡辺 これまでに顔出ししているのかどうかを調べて、「可能性ありそうだな」とわかってオファーしました。そこから「だったらこういうこと言わせたい!」と決めていきました。

(文/斎藤岬)

「ダン=ナダル」説が浮上する(!?)後半戦は明日公開!

■作品情報
『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』

監督/平沼紀久 脚本/渡辺啓、福田晶平、上條大輔、平沼紀久 出演/山下健二郎、佐藤寛太、佐藤大樹、駿河太郎、笛木優子、新井美羽ほか 配給/松竹 公開/9月28日(金)より3週間限定全国ロードショー
<あらすじ>
九龍グループとの闘いが終焉し、平穏な日々を送る山王連合会のダン、テッツ、チハル=DTC。だが平和さは3人の心をモヤモヤさせる。それを振り切るべく、行き先も決めずにバイクで旅に出ることに。途中で資金が尽きて温泉旅館で住み込みのバイトを始めた3人は、シングルマザーの若女将とその娘、そして若女将と惹かれ合う番頭の複雑な関係を知る。2人が再婚に踏み切れるよう、3人はWhite RascalsのSMGや達磨一家の達磨ベイビーズたちとも手を組んである作戦を実行する——。

■プロフィール
平沼紀久(ひらぬま・のりひさ)
1976年生まれ。俳優、脚本家、プロデューサー。2000年に役者としてデビューし、多くの舞台や映画・ドラマなどに出演。近年は『ライチ光クラブ』『帝一の國』など、演劇プロデュースなどでも活躍。

渡辺啓(わたなべ・けい)
1976年生まれ。脚本家。タレントとしてデビューし、俳優としても活動。その後脚本家に転身し、『ラストマネー~~愛の値段~』(NHK)、『女はそれを許さない』(TBS)などを執筆。

福田晶平(ふくだ・しょうへい)
1980年生まれ。構成作家、脚本家。よしもとの劇場「神保町花月」公演やアミューズの「劇団プレステージ」公演などを手がける。映像作品では『また来てマチ子の、恋はもうたくさんよ』(TVK)など。

上條大輔(かみじょう・だいすけ)
1979年生まれ。映画監督、脚本家。大友啓史監督作品のほか、多くの邦画の現場で助監督として活躍し、『KABUKI DROP』で監督デビュー。BL漫画原作映画『ひだまりが聴こえる』(17)でも監督をつとめた。


Recommended by logly
サイゾープレミアム

2024年11月号

サヨクおじさんが物申す 腐敗大国ニッポンの最新論点

NEWS SOURCE

サイゾーパブリシティ