――ここ数年の健康ブームもあってか、筋トレやヨガをテーマにした雑誌はたくさんある。その中で見られるヨガウェアがエロいという男性の目線もあるようだ。実際に、AVでもこのジャンルは存在する。筋トレ雑誌の“エロい”グラビアを、本誌連載陣の実際は中年でも心は大学生のコラムニストが解説する――。
『Tarzan(ターザン) 2018年9月27日号 No.749 [実践的6提言 二度と太らない! ] 』(マガジンハウス)
「an・an」(マガジンハウス)のSEX特集が市民権を得て以降、美や健康を隠れみのにしたエロのフォーマットが多様化している。そこでは「エロは高尚なもの」として扱われているため、いくら「an・an」でも「やっていることは『サイゾー』のSEX特集とたいして変わんないぞー!」と、本当のことを言ってはいけない空気がある。
そして、この状況を幸いとばかりに、ライフスタイル誌に参入してきたのが、これまで男性誌でその肢体を披露してきたアイドルやグラドルたちである。
代表的なのが、先日NMB48からの卒業を発表した山本彩が、「Tarzan」(同)で連載していた『さや筋トレ48』だ。惜しくも2017年7月で終了してしまった同企画。“48の筋肉にフォーカスする”をテーマに、さや姉が筋トレに励む。タンクトップやショーパン姿での筋トレは、時に胸の谷間が写り、体のラインもハッキリとわかるため、下手な水着グラビアよりなまめかしい。しかも、本人は一生懸命筋トレしているだけなのに、それを見て興奮してしまっているという背徳感。心の中で何度も「ごめんね、ごめんね」とつぶやきながら、目を離すことができなかった自分が悔しくもある。
そして、最近ではさや姉に限らず、名の知れた女優やアイドルたちがさまざまな媒体で、ヨガや体形維持のエクササイズ姿を披露している。なぜこのような動きが起きるのか? ある芸能関係者は「売れてきた娘は、次のステップとしてアーティストや女優などを意識するため、水着グラビアでの露出を嫌がる」という。とはいえ、まだグラビアで稼ぎたい事務所の意向もある。そこで苦肉の策として「エロでもグラビアでもない」「美や健康がテーマの肌を露出する企画」として筋トレやヨガに落とし込むのだそうだ。
なるほど、さや姉もまんまとこの術中にはまったわけか。やるせない。やるせないけど興奮する。まあ、我々にしてみれば、これまで0か100だったところにグレーゾーンを設けてもらったわけで、グラビアの“延命処置”をしてもらったようなもの。ありがたい話である。しかも、グレーゾーンのほうが興奮するという、「脱法ドラッグ」みたいな位置づけだ。