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第1特集
アイドル雑誌がない国のグラビアとは?

性表現に厳しい社会での“抜け道”とは?――国防部の定期刊行物に指定! 韓国グラビア雑誌の【裏】事情

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――数年前、ロリ巨乳グラドルの篠崎愛が韓国の男性誌「MAXIM KOREA」の表紙を飾り、日本でも話題になった。では、かの国においてグラビア写真が掲載された雑誌は、ほかにも存在するのだろうか? そして、そのあり方は日本とどう違うのか? 雑誌を通して、韓国のグラビアをめぐる現状を探ってみよう。

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“マッスル美女”が登場するフィットネス専門雑誌「MAXQ」。

 日本ではグラビアアイドルに限らず、一般のアイドル、女優は必ずと言っていいほど新人の頃に水着になって男性誌のグラビアページに登場するが、K-POPアイドルが日本でも大人気の、お隣・韓国のグラビア事情はどうなっているのだろうか?

 グラビア事情がどうかという前に、まず、韓国は日本以上に出版産業が縮小し、雑誌自体が少ないという背景が前提としてある。セクシーな女性が見たいのであれば、ネットが主流。いわゆるエロ本も今は存在しない。加えて、性表現に対する社会の目がかなり厳しいという点も大きな特徴だ。

 その上で、女性芸能人のグラビアで最も有名な雑誌といえば「MAXIM KOREA」【1】(以下、「MAXIM」)である。アメリカの男性誌の韓国版だが、2010年から「ミスMAXIMコンテスト」を開催しており、それはセクシーモデルの登竜門といわれている。さらに、グループ会社には「MAXIM」の看板を掲げたモデル事務所もあるのだ。

 韓国のニュースを日本に伝えるウェブメディア「S-KOREA」の編集長・慎武宏氏は次のように語る。

「『MAXIM』は、社会問題、スポーツ、エンターテインメント、ライフスタイルなど総合的な情報を掲載する男性誌ですが、グラビアで話題となることが多いですね。しかも、妖艶な写真ではありますが、ただのエロではなく、演出、構図、ポージングなどが挑戦的で凝っており、写真としてのクオリティが高いと評価されています。そんな同誌のカバーを飾るのは旬の人。メジャー級の女優よりも、ネクストブレイクとして注目されている女性が起用されることが多いですね。発売時にはネットメディアにその情報を流し、記事として配信されるので、大きな話題となります」

 これまで登場したカバーガールは、モデルやアイドルにとどまらず、お天気お姉さんのチュ・ジョンギョンや、30万以上のフォロワーを抱えるインスタグラマーのシン・ジェウン、美女チアリーダーのアン・ジヒョン、女子アナのパク・シニョンなど幅広いジャンルから起用されており、日本のグラドル・篠崎愛や女優の藤井美菜、セクシー女優の北条麻妃が登場したこともある。概して、長い髪にメリハリのあるボディ、ボディコン、ハイレグ水着といった大人のセクシーさを全面にアピールした写真が多く、日本でウケそうなロリ顔は、16年2月号で表紙を飾って完売となった篠崎愛以外に見られない。それは、「韓国社会は性表現に厳しく、ロリ系やレイプを想像させるようなグラビアは問題視される」(慎氏)からだという。

 では、なぜ“ロリ巨乳”として知られる篠崎は問題なかったのだろうか? 韓国のファッション/カルチャー誌「OhBoy!」でデザイナーを務める日本人のErinam氏は、その背景について次のように分析する。

「『日本ですでに人気となっているグラビアアイドルだから』ということで、許されたのだと思います。韓国では日本のグラビアに影響を受けている写真家や読者が多く、実際にはロリ系アイドルのグラビアの需要は高いと思われますが、篠崎さんのような芸風を韓国人芸能人が堂々と展開するのは相当難しいでしょうね。気鋭の写真家・Rottaさんの写真集『Girls 少女たち』(16年)は、露出度が決して高いわけではないですが、モデルがスクール水着や制服、体操着などを着用していたために、女性たちからの批判を浴びました」

『Girls』は小さな出版社から刊行され、大々的な宣伝がされなかったにもかかわらず、韓国の大型書店チェーン「教保文庫」では発売第1週目で総合ランキング7位を記録。しかし、女性団体から「異常な児童性愛を助長する」として出版差し止めを求められる騒動が起きた。Rotta自身は「僕の美少女写真って、日本ではごく一般的に消費されている作風だと思うんですよ。だから韓国でも普通に受け入れられると思ったら、そうでもなかった」(16年10月15日付「S-KOREA」)と語っている。余談だが、彼は今年7月、モデルに性的暴行をした容疑で検察に送致されている。

男性アイドル写真が載るスタイリッシュな雑誌

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