――新しいグラドルが雑誌を席巻している。アイドルやモデルのグラビアも人気となり、さまざまなタイプのグラビアアイドルが台頭している昨今。人気者もはやりの撮影方法も、目まぐるしくうつろう。グラビア雑誌の関係者たちによる座談会を緊急敢行して、今後のグラビア界をうらなった。
テレビメディアでの仕事が増えたり、年齢が上がっていくに連れてグラビア仕事をやらなくなる人も多い中、叶美香さんは今でも続けてくれていますゾ!
[座談会参加者]
A…芸能誌記者
B…テレビディレクター
C…芸能事務所関係者
A:僕らは、普段はライバルとして意識しあったり、事務所と編集部という関係の中で仕事を進める間柄だけど、今日は昨今のグラビア界にまつわる話題を振り返ってみようか。
2017年から18年にかけて話題になったグラビアアイドルとして筆頭に挙がるのが、たぬき顔でロリ巨乳が武器の大原優乃だったね。大原は、元Dream5のメンバーとして活躍していたが、17年6月に「週刊プレイボーイ」でグラビアデビュー。今年3月に発売されたファースト写真集『ゆうのだけ』(ともに集英社)は、アマゾンでも売り上げ1位を記録している。
B:大原は、デジタルでも紙でも写真集の売れ行きが好調。本人もSNSをしっかり使いこなしていて、ツイッター、インスタグラムともにフォロワー数は12万人を超えている。これだけのフォロワーがいれば宣伝効果的には及第点といえるかもしれないけれど、実は雑誌的にはおいしくないという説もある。
本人はいい子だし、キャラクターもおもしろいんだけど、一般層に支持されているというよりも、コアなオタクのファンからの支持が熱いという感じではないかな? その結果、写真集は売れても雑誌の売り上げにはさほど貢献していないという話もあるようだ。写真集は、たくさん買うほどに握手できたりするといったイベント特典があるから、オタクはたくさん買ってくれるんだ。だから彼女も、一般層を取り込んでいけないと、今後は伸び悩んでしまうかもしれない。
C:大原の先輩にあたり、同じくエイベックスに所属し、“1000年に一度の童顔巨乳”のキャッチコピーでブレイクした浅川梨奈も、15年にグラビア活動を始めてから3年であらゆる媒体に出まくった。その結果、このところは、そのありがたみが薄れてしまっているように感じる。
A:読者がグラビアアイドルを消費するサイクルが、昔に比べて短くなってきている気もするから、そんな時代的な背景も影響しているのかな?
C:今売れているグラビアの子は、水着グラビアは知名度アップのためにやる“期間限定のステップ”というのを強く持っているよね。16年に「週刊プレ」の企画として、10人のグラビアアイドルが特集され、浅川のほかにも、馬場ふみか、石川恋、稲村亜美などが登場していた。けれども、今もグラビアアイドルとして第一線で活躍している子はわずか。目安としては、3年くらいで服を着始めるという印象だね。
B:それに浅川本人は今、グラビアの活動に前ほどは乗り気ではないという話も聞くね。デビュー時よりも肌の調子も悪いみたいだ。
A:大原とともに去年から大ブレイクを果たした小倉優香も、グラビア活動を始めた頃ほどには積極的ではなくなってきているようだ。今年5月に発売したファースト写真集『ぐらでーしょん』(講談社)では、手ブラや横乳など、初めての写真集とは思えないほどの過激さだったけど、逆に言えば、あまりグラビアを長く続ける気はないのかもな。もちろん、こちらとしては、これからのグラビア界を牽引する存在として是が非でも続けてほしいのだけど……。
C:でも、水着グラビアはやっぱりそこそこにしたいのが本音だという子が多いよね(苦笑)。その点、筧美和子はグラビアに抵抗がなく、むしろ積極的にカラダを見てほしいという稀有な女の子。もちろん、一時期は完全に出ていなかったし、今も前ほどには露出していないけど、むしろあれくらい知名度があったらグラビアを卒業しても全然おかしくないのに。
A:大原や小倉、浅川など、グラビアの王道を行くロリ巨乳たちが好調な要因には、AKBグループが18歳以下の水着を禁止したり、乃木坂46のメンバーによる露出度の低いグラビアが増えつつあるといった傾向に対する反動があるのかもしれない。読者としても「やっぱり着衣よりも水着のほうがエロい」と、水着グラビアに回帰しているんじゃないかな?
B:とはいえ、極端に過激でエロければいいってものでもない。雑誌の表紙でもエロさを感じるものよりも、爽やかな写真のほうが読者の反応が明らかにいいんだよ。特に、AKB48や乃木坂46がやっている露出控えめなグラビアに慣れ親しんだ20代以下の読者にとっては、水着グラビアってだけでも、エロく感じるのかもしれないね。
A:昔は「脱ぐ」といえばヌードのことだったけど、今は水着になることを意味するようになった。時代の変化だね……。
B:世の中の変わり目といえば、#Metooの問題はどうだろう? グラビアアイドルとして活動していた石川優実が、自らが経験した枕営業の実態を告発して話題となった。
A:#Metooのブームは一段落したようだけど、グラビア業界を掘れば、まだまだこの手の話は出てきそう。テレビやネットの番組でも、グラドルの暴露ネタが取り扱われることも多いよね。
C:所属タレントのほとんどが豊胸手術をしているなんて噂がたっている事務所もあるけど、うちではそんなこと、怖くてできないよ。仮にその場で本人が同意したとしても、後々「無理やり豊胸させられた」みたいな告発トラブルに発展しても困るしね。
A:その流れが再燃したら、いよいよグラビア界が震撼する事態になるかも……。