――このところはその勢力の弱体化が一般的に語られるようにもなってきた暴力団。ここではその減少を数字とグラフで見てみよう。
近年の暴力団勢力の推移
警察当局によると、一時期は全国で18万人の暴力団員が確認されていたが近年、その減少が確認されている。「暴力団対策法」が施行された1992年には約9万600人、そこから95年には8万人を割り込み、約7万9300人に減少している。ところが、97年には約8万100人と、再び8万人台となり、根強い勢力を保ったままだった。
そこで各自治体でも動きをみせた。それまでの暴対法では、みかじめ料の徴収を禁じるなど、規制対象になるのは暴力団構成員側だったのに対し、10年4月以降、全国の都道府県レベルで制定された「暴力団排除条例」では、暴力団への資金提供や宴会場の貸与をした一般の個人や法人に対しても、規制がかかった。違反した個人や法人には警告がなされ、さらに違反行為が繰り返された場合には、個人名や法人名が公表されることに。これにより、暴力団との交流ばかりか、接触さえも拒否する民間人が多くなったとされる。暴排条例により資金源が絶たれる傾向が強まると、暴力団による飲食店経営者などへの暴力が横行。その結果、さらに暴力団排除の機運が盛り上がり、業界全体で縮小方向に向かっている。