サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > 日本大学だけじゃない!【1】/なぜヤバい【大学】は生まれるのか?

――学生ではなく、理事長、学長、部活動の監督、教授など、大学運営者による不祥事が相次いでいる。これだけ事件が続くのも珍しいが、そもそも大学の組織構造は多くの問題点を抱えているという。どういうことだろうか?そこで、個々の事例を分析しながら、大学が不祥事を引き起こしやすい理由について考察していく。

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「日本大学の歴史」というページで紹介される田中英壽理事長。

 大学での問題に対する報道が続いている――昨年から続くモリカケ問題の加計学園、5月の日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題から端を発した田中英壽理事長の独裁政治の実態、6月の早稲田大学の名物教授のセクハラ騒動、そして、東京医科大学では7月に文科省役人の息子の裏口入学と、8月には女子受験者と3浪以上男子の合格者数の抑制が発覚した。

 これらは通常の感覚では理解しがたいものばかりだが、本稿では、大学という場所がなぜ、こうしたにわかには信じがたいような不祥事を引き起こしてしまうのかを、大学が抱える構造的な問題などの観点から分析していきたい。

2600億円稼ぐのに教育施設はズタボロ!?

「最近発生した大学の不祥事はパターン別に【1】組織の体質、【2】意識の問題、【3】国の干渉に対する副作用の3つに分けられます」

 そう語るのは、大学経営コンサルタントの岩田雅明氏。

「日大は当然、【1】組織ですよね。大学の閉鎖性が長期間の権力維持を可能にしていたため、やりたい放題やっても大丈夫という甘えがあった。早稲田の場合はセクハラやパワハラが明るみに出たということなので、組織的な隠蔽という見方よりも、【2】個々の意識の問題。そして、東京医大と加計学園の場合は、【3】政府の大学への干渉が強くなってきた反作用という感じもします。一時は文科省も大学や学部新設の規制を緩和し、適切な競争環境の中で淘汰させていましたが、最近は23区内での学部新設を禁じたりと規制を強めています。補助金も国の政策に沿った大学に対して多めに配分する方向となり、大学の経営に対する干渉が強くなっています。そのため、官僚の子女の裏口入学や大学への天下りが発生しているんですよね」(同)

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