――記憶に新しいRADWIMPS「HINOMARU」騒動。ネットを中心に賛否が分かれたが、当のアーティストである立場の人間は、どう感じたのか?業界きってのジャーナリズムの持ち主であるKダブシャインと曽我部恵一(サニーデイ・サービス)の両氏に、“愛国ソング”の本音を聞く。
※本稿では、反原発や政治批判をテーマにした楽曲も“日本を憂う”という広義の愛国ソングとして考察する
(写真/黒瀬康之)
本誌18年8月号にて「RADWIMPS『HINOMARU』炎上騒動を音楽業界は、どう見たか?」という記事を掲載した。そもそも騒動は、彼らが6月にリリースしたシングル「カタルシスト」に併録された「HINOMARU」の歌詞の内容が「軍歌的である」「戦争を想起させる」などの批判が相次いだことに端を発する。その対象となった歌詞の一部を抜粋すると、「気高きこの御国の御霊」「日出づる国の 御名の下に」「たとえこの身が滅ぶとて 幾々千代に さぁ咲き誇れ」などの“古語を用いた”箇所が挙げられ、あまりにもネットで批判が拡散されたことから、ボーカルの野田洋次郎はツイッターで謝罪をするにまで至った(しかし、約1週間後に行われたライブでは、騒動に対して「何も悪いことしてないんだから、堂々と歌いに来たんだよ」「自分の国ぐらい好きでいていいだろうが! ありがとう!」とMCで語っている)。
音楽業界に身を置く関係者からは、「やはり炎上したか」という率直な意見が聞かれたが、野田同様、アーティストという立場から今回の騒動は、どのように映ったのか? そんな日本の愛国ソングに鋭いメスを入れるべく、近年炎上した楽曲をピックアップしつつ、Kダブシャインと曽我部恵一の両氏に、愛国ソングへの本音を思う存分、語ってもらった。
――まず、【1】RADWIMPS「HINOMARU」(18年。以下、RAD)騒動について、お2人の率直な感想を聞かせてください。