前置きが長くなってしまいましたが、2018 年からここカリフォルニア州では、21歳であれば誰でもカナビス商品を買えるようになり、家の中であれば6つのカナビスの植物を栽培することも許されています。昨年までは、医者の推薦状があれば、マリファナを合法で買うことができたのですが、今年からはそれさえも必要がなくなり、ディスペンサリーに運転免許証さえ見せれば購入できるようになったのです。そこで、友人からいただいたカナビスの植物を家の中で栽培することにしてみました。ネットで調べたところ、栽培用のテント、照明、扇風機、肥料など様々な道具が必要なことがわかり、それらをアマゾンで早速オーダー。ここロサンジェルスには"Hydroponics"(水栽培)の園芸屋さんが数々ありますが、どこもメインの客層がカナビスの自宅栽培をしている人たちです。家の近くにあるハイドロポニックス店に行ってみると、店主はいかにもカナビスが好きそうなヒッピー風のオヤジ。自分のカナビスの植物の写真を見せたところ、健康的に根を成長させるために、すぐにもっと大きなポットに移し替えたほうがいいと言われ、早速そこでポットと土を購入し、カナビスの苗を移し変えました。カナビスを栽培するには、まず栄養成長期(vegetative stage)といわれる段階が3週間から8週間以上まであり、葉と枝を成長させます。このときにカナビスが大きく成長すればするほど、より多くのフラワーが収穫できるわけです。次に、5週間から16週間以上かけた生殖成長期(flowering stage)があり、お花を咲かせます。この後、収穫したカナビスのお花は数日から1週間ほどかけて乾燥させ、それを最低2週間ガラス瓶に入れるキュアリングというプロセスを経て完成です。キュアリングをすることで、カナビスの精神作用が増幅され、味や香りがよくなるそうです。私たちは初心者なので、まだこの段階を経験できていませんが、これから勉強して本連載で紹介していきたいと思います。
それにしても、カナビスの植物はとても可愛いもので、自分の娘のように思えてきます。「シンコ・デ・マヨ」と呼ばれるメキシコの祝日である5月5日にいただいたものなので、メキシコの女流画家"フリーダ・カーロ"にちなんで"フリーダ"と名付けけました。5本指の形をした緑の葉が特徴的で、ほのかにカナビスの香りもします。
では次号は、家の中で使用する栽培用テントと照明のセッティングをご紹介しましょう。
カナ夫&カナ子(かなお&かなこ)
東京出身、ロサンジェルス在住のフリーライターとカメラマン夫妻。音楽、アート、エンタテインメントの世界に長年関わってきたのに、これまで大麻は一度も吸ったことがなかった珍しい2人。ストレス、腰痛などを改善するべく、40代からカナビス(大麻)を健康目的で使用するようになる。カナビスの苗を知人からもらったことをきっかけに、現在栽培中。