続いて、カナビスの主な吸引方法を紹介すると、ガラスパイプ、ボングなどの水パイプ、ジョイント(紙巻きタバコ)、ベイポライザーといった形があります。まずガラスパイプの場合、カナビスのドライフラワーをグラインダーで細かくしてから、それをパイプのボウルの部分に入れ、そこに火をつけて煙を吸います。ジョイントはガラスパイプと同様、細かくしたドライフラワーを紙で巻いて、タバコと同じ要領で煙を吸います。ボング(水パイプ)の場合、細かくしたドライフラワーをパイプのボウルに入れるわけですが、煙を水の中にくぐらせてろ過することで、有害物質が大幅に除去されて煙がマイルドになり、吸いやすくなります。
中でも今最も流行っていて、最も健康的な吸い方は、ベイポライザーです。これを使用する場合は煙を吸うのではなく、蒸気を吸うのです。THC、CBDなどのカナビノイドやテルペンをカナビスから低い温度で抽出することで、煙に含まれる呼吸器系に悪影響を及ぼす発がん物質や有害物質を発生させずに、吸引することができます。また、においがあまり発生しないので、ビギナーに向いており、外でも吸いやすくなりますね。ベイポライザーにも様々な種類があり、ドライフラワーを入れて吸うタイプもあれば、カナビス・オイルのカートリッジを装着して吸うペン・タイプもあります。ペン型のベイポライザーはとても小さいので、最近はよくライブ会場などで使用している人を見かけますね。ディスペンサリーに行くと、ペン型のベイポライザー用の様々な品種や効能のカートリッジが販売されています。私たちは煙を吸うと肺が痛くなるので、このペン型のベイポライザーを使用することが多いです。そのようなベイピングの一種であり、近年とてもポピュラーになっているのが「ダビング」という吸引方法。カナビスの成分をブタンや二酸化炭素で抽出すると、高濃度の粘着力のあるオイルになるのですが、ワックスやシャッターと呼ばれるその濃縮された抽出物を、米粒サイズくらいのガラスや金属製のネイルという爪のような尖った先で加熱し、ダブリグと呼ばれる道具で蒸気を吸引する方法のことで、これが強力なハイをもたらします。マリファナの過剰摂取で死ぬことはありませんが、ダビングによるハイが強すぎて、気持ち悪くなる人もいるので、ビギナーにはオススメしません。
しかし、煙や蒸気を吸うことに抵抗がある人もいますよね。そんな人に人気があるのが、カナビスのティンクチャーやエッセンシャル・オイル。前者はカナビスからアルコールまたは二酸化炭素でカナビノイド成分を抽出したもので、数滴を舌の下に垂らして摂取します。ティンクチャーの成分はすぐに血流に入るので、効果が早いのが特徴。ディスペンサリーでは、様々なフレーバーのティンクチャーが販売されています。また、ハイになるTHC入りのカナビス・オイルもあれば、全くハイにならないCBDオイルがあります。このCBDオイルは、痛みを軽減し、抗炎症効果があり、禁煙、てんかん症、うつ病、ガン、不安症、糖尿病、アルツハイマーにも効果があるとされています。猫や犬のペットの病気や痛みを軽減するための、ペット専用のCBDティンクチャーやペット・スナックも販売されています。2003年にカナダ人男性のリック・シンプソンが皮膚癌になり、自分で作ったカナビス・オイルで癌を完治させたニュースが話題になりましたが、この男性が発明したカナビス・オイルはリック・シンプソン・オイル(RSO)として知られるようになりました。大体どこのディスペンサリーに行っても、RSOは販売されています。
そして、最近非常にポピュラーになってきたのが、カナビス入りの「エディブル」です。「エディブル」は言葉の通り、カナビス入りの食べ物。ディスペンサリーに行くと、カナビス入りのチョコレート、クッキー、ブラウニー、グミ、アメ、ドリンクなど多種多様なスナックやお菓子が販売されています。カナビスの煙を吸引すると瞬時にハイになりますが、エディブルはハイになるまでに時間がかかる代わりに、長くハイでいられます。ただ、商品によってカナビスの含有量が違うので、事前にチェックすることが重要です。以前、エディブルの経験がない私たちは、カナビス入りのチョコレートを丸ごと食べて、体が動かなくなるくらいハイになったことがありました。なので、そうした非常に強いエディブルは、まずは少量から始めることが大切。また、カリフォルニアでは有名なシェフがカナビスを取り入れた料理を提供するイベントを各地で行っており、話題になっています。
最後に紹介するのが、カナビス入りのスキンクリームやローションで、これも人気がありますね。カナビスのCBD成分は痛み止め、抗炎症効果が高いので、CBD入りのスキンクリームは、肩こり、筋肉痛、生理痛、関節炎、腰痛、糖尿病による体の痛みを軽減します。また、ニキビやアトピーなどの皮膚の疾患、火傷にも効果的だったり、蚊などの虫刺されにも効果があったりします。ジムで運動して筋肉痛になったときには、CBDオイルを飲んだり、CBD入りのカナビス・クリームを肩や腰などの幹部に塗ったりすることで、だいぶ体が楽になりますよ。
ガラスパイプ、ボング、ジョイント、ベイポライザー、ティンクチャー、オイルなど、カナビスの吸引・摂取方法は様々である。