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大石始のマツリ・フューチャリズム【26】

時代の変化に対応しながらも、伝統を守る神田明神の挑戦

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――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

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神田明神で行われた昨年の「納涼まつり」の様子。地元民からアニヲタまでが集結し、伝統ある盆踊りからアニソン盆踊りまでミックスされた、まさに時代を感じさせる祭典だ。

 アニメ・コンテンツが地域振興に用いられるケースが近年増加している。埼玉県の場合、2007年に放映が開始されたアニメ『らき☆すた』の中で鷲宮神社(埼玉県久喜市)をモデルとする神社が登場し、多くのアニメファンが訪れるようになったことをきっかけに、県をあげてアニメによる観光事業に注力。

 アニメファンによる神社の聖地化は鷲宮神社に限った話ではなく、『ガールズ&パンツァー』の舞台となった大洗磯前神社(茨城県大洗町)のように枚挙に暇がない。1300年近い歴史を誇る神田明神(東京都千代田区)も、そのうちのひとつ。神田明神は江戸総鎮守として名高い東京を代表する古社だが、『ラブライブ!』の中でたびたび舞台になったことから、近年はラブライバーたちの聖地に。15年からは境内でグッズ販売が始まるなど、積極的なコラボレーションが推し進められてきた。

 そんな神田明神が一昨年から開催しているのが、“アキバ・カルチャーの祭典”として話題を集めている「納涼まつり」だ。初年度はアニソンとアイドルのライブが行われたが、昨年はアニメ『パタリロ!』の「クックロビン音頭」などがかかるアニソン盆踊り、秋葉原のメイドによる打ち水、神楽殿を使ったネットの公開生放送などユニークな企画が続々と打ち出された。アニメ関連の宣伝や商品企画を専門とする「エクスアーツジャパン」が実行委員会に加わっていることもあって、その本気度は「ちょっとコラボしてみました」というレベルを超えている。

 神田明神の権禰宜である加藤哲平氏は、開催の経緯をこう話す。

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