――日本初開催となった「MR GAY JAPAN 2018」の日本代表は、教壇に立つ現役の教師。LGBTの認知と理解の向上を掲げ、教科書には載らない意義を提唱する。
(写真/若原瑞昌・D-CORD)
「僕にとって、普段接する人のセクシャリティは、その人の靴のサイズくらい気にならないことなんです。だって、それを知らなくても会話はできますからね」
精悍な顔つきをしたShogo氏は、明るく笑いながら言う。彼は今年日本で初めて開催された、LGBTQ+の認知と理解の向上を目的としたゲイのコンテスト「MR GAY JAPAN 2018」で勝ち残り、去る5月下旬、その世界大会となる「MR GAY WORLD」の日本代表を務めた。
そんな彼は、もともと日本で生まれ育ち、16歳で単身オーストラリアに渡り、現地の高校に教職員として就職。今年一時帰国し、現在は日本の高校でも教壇に立つ。
「オーストラリアは多民族国家なので、宗教や人種、肌の色、出身国などみんなバラバラ。セクシャル・マイノリティもたくさんある違いのうちのひとつとしてとらえられています。僕は大きな街に住んでいたので、同性カップルが普通に手をつないだり子育てをしていて、セクシャリティが違うからといって、別の世界の人間と見られることはありませんでした」
17年12月、オーストラリアでは従来より整備されていたパートナーシップ制度に加え、同性婚が正式に合法化。LGBTといった性的マイノリティの権利向上を謳う世界的な機運は高まっており、その波は日本にも確実に訪れている。しかし、法制度に限らず、日本ではまだ性的マイノリティに対する偏見が根強いことも否めない。