サイゾーpremium  > 連載  > 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」  > 町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第126回/『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
連載
町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第126回

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』――性差別は終わらない? 正義のラケットで女性憎悪を打ち砕け!

+お気に入りに追加

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』

1806_P141_001_200.jpg

時は1970年代。60年代の公民権運動の流れを受け、女性解放の波がアメリカを覆っていた。そんな中、女子テニス世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングは、女子大会の賞金額が男子のそれに比べ、遥かに低いことに異議を唱えていた。やがて彼女は、女子だけのテニス協会を設立、ツアーを開始。そこに男性優位主義者の老年チャンプが試合を挑むことになるが……。監督/ヴァレリー・ファリス、ジョナサン・デイトン、出演/エマ・ストーンほか。7月6日全国公開。


 英語の書類のSEXの欄に「好き」と書いてしまった、というジョークは昔からあるが、この場合のSEXは「性別」。映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』も、性別、つまり「男と女の戦い」という意味で、1973年に行われたプロ・テニスの男女チャンピオンの対決を描く実録映画だ。

 男子代表は、ボビー・リッグス(スティーヴ・カレル)。見た目こそ「浪花のモーツァルト」ことキダ・タロー先生そっくりだが、21歳でウィンブルドンに優勝したのを皮切りに、生涯に3回の世界選手権を獲得したテニス界最強の男。50代に入って引退していたが、突然「この歳になっても女子のチャンピオンなんかに負けはしない」と言い出し、当時の全米プロ女子チャンピオン、マーガレット・コートに挑戦した。

 試合は母の日に行われ、リッグスは圧倒的なパワーでコートを打ちのめし、「母の日の大虐殺」と呼ばれた。

 なぜ、リッグスは女性を叩き潰したかったのか。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年5月号

新・ニッポンの論点

新・ニッポンの論点

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【マルサの女】名取くるみ
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【Lee Seou】八面玲瓏として輝く物言う花
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【雪村花鈴&山田かな】CYZOデジタル写真集シリーズ
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ