――今、“バブル時代”のファッションや音楽がちょっとしたブームになっている。サイゾー読者にはあまりなじみがないだろうが、バブル期の80年代後半から90年代初頭には、大学生やサラリーマンはこぞってデートマニュアルが特集された雑誌を購入していた。こうした世代が50代を迎え、現在の雑誌にどのような影響をもたらしているのだろうか?
バブルの時代、「Hot-Dog PRESS」に掲載された特集記事『あのコと楽しむ夏作戦』。
極太眉に肩パッド、ロングソバージュに巨大な携帯電話。バブル期の風俗をコミカルに取り上げた芸人・平野ノラのブレイクや、2017年のNHK紅白歌合戦への出場も果たした、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」に合わせた登美丘高校ダンス部のバブリーダンス、さらには京都・祇園にバブル期の伝説のディスコ「マハラジャ」が復活するなど、バブルという時代とその文化が、およそ30年の時を隔てて改めて脚光を浴びている。
一方で、バブル時代に会社に大量就職した「バブル世代」は、近年何かと批判されている。例えば、18年1月14日に東洋経済オンラインで配信された「『バブル世代』が会社で煙たがられる根本理由」という記事では、『バブル入社組の憂鬱』(日経プレミアシリーズ)の著者である相原孝夫氏の話として、バブル入社組は「世代的特徴として『コミュニケーション能力が高い』とされる一方、『根拠なく楽観的』『見栄っ張り』『会社に依存』」ともいわれ、下の氷河期世代と激しく対立している」と分析されている。
今回は雑誌特集ということで、何かと話題となるバブル世代に編集された雑誌の特集記事を取り上げることで、“バブル世代”と“バブル期の雑誌”が現代社会にどう影響を及ぼしたのか、分析してみたい。前提としてバブル期とは、一般的に1987~91年の5年間がその中心にあたる。いうまでもなく、まだインターネットが一般的でないその時代、若者の最大の情報源は雑誌だった。