10月1日に利用者が送料を決められる「送料自由」という驚きの試みを始めたゾゾ。その背景などを物流コンサルタントの角井亮一氏に聞いた。
角井氏の著作『物流大激突 アマゾンに挑む宅配ネット通販』(SB新書)。
「まず送料自由化の試みについては、9月29日にヤマトホールディングスの山内雅喜社長が『送料無料というのはやめてほしい』と発言したことが背景にあると思います。ゾゾはヤマトさんだけに配達を委託しているので、ヤマトさんに気を遣ったんでしょう。そのため『送料無料→送料自由』という斬新な案を考え出したんだと思います」
また、同じく送料無料を強調してきたAmazonと比較した場合、ゾゾはAmazonより客単価が高く、“送料負担力”も高いという違いがある。
「ゾゾの平均出荷単価は8530円と高く、出荷件数も680万件あります。仮に大半の利用者が送料を無料にしても、運賃を負担できる公算があるのでしょう。なお利用者が送料を無料にしても、ゾゾは距離と重量に応じた配送料をヤマトさんに一件ずつ支払っています。当然、無料ではありません(笑)」