今年8月、運営会社のスタートトゥデイの時価総額が1兆円を突破したZOZOTOWN。ファッション業界ではまさに独り勝ちといえるだろう。また、出店するブランドの中には、月の売り上げが10億円に達するところもあるそうだ。では、業界関係者はこのサービスを評価しているのだろうか? 匿名を条件に徹底リサーチ!
(絵/河合 寛)
ツケ払いのシステムは物議を醸したが、そのビジネスは順風満帆そのものとも言えるZOZOTOWN(以下、ゾゾ)。今回は、業界関係者たちに匿名で登場してもらい、ゾゾの好きな所/嫌いな所をホンネで語ってもらった。まずは、出店するブランドの声から。小規模ながらファッション好きには有名なメンズブランドの代表は、「ウチみたいな規模のブランドはゾゾなしだと経営が成り立たない」と語る。
「売り上げの7割近くがゾゾで、自社ECの倍は売れていますから。大手のアパレルメーカーはそこまでゾゾに依存していないと思いますが、膨大な売り上げがあるのは確か。売上ランキングでトップテンに入るアーバン・リサーチやビームス、ユナイテッド・アローズ、ナノ・ユニバースなどは、1カ月で10億円ほどの売り上げがあると聞いています」(同)
複数のブランドと路面店を持っている中堅アパレルメーカーのEC担当者A氏も、「最近は実売店舗の赤字をゾゾなどのECで賄っている状況です」と話す。
「都内のおしゃれなエリアの実売店を維持できているのも、ゾゾのおかげです。うちの場合は自社ECとゾゾの売り上げが半々程度ですが、ゾゾの担当者は『自社ECの売り上げがゾゾの3割に届けば成功しているほう』と言っていました。なお売り上げは、30%をゾゾ側に差し引かれてしまいますが、それでも出店を続けるメリットは大きいです」(A氏)
ちなみに取り分は「メーカーやブランドによって違う」という話もある。