こちらの記事では「ナマモノ」のタブー性について触れてきたが、ではこれを愛好する人々は、なぜ二次元ではなく実在する人物を使ったBL作品に惹かれるのか? 腐女子の心理に迫りつつ、福山雅治がラジオで行ったBL妄想についても解説する。
「家族になろうよ」もいいけど、ましゃの良い声で禁断の不倫BLドラマCD作って!
今夏、開催されたコミックマーケットの参加サークル数は3万を超えるというから、そこで取り扱われた同人誌の数はさらに多いだろう。しかし、カタログを見ると、ナマモノ・半ナマを扱った同人誌を出しているサークルの割合はだいたい全体の3~4%以下程度。やはり二次元を扱うものよりも圧倒的に数は少ない。そんなニッチな世界にハマってしまうオタクの心理とはいかなるものか。ナマモノ二次創作を一筋に愛して10年という腐女子はこう語る。
「ナマモノの魅力は、やっぱり肉体という実体があることですね。私たちの妄想はフィクションですが、実体は存在する。だから、妄想にもリアリティを持たせることができるわけです。それから、二次元は原作者の作為でしかキャラクターが動かないけど、ナマモノは例えばグループ脱退とか、活動休止とか、結婚とか、予期せぬアクシデントが無作為に起こるじゃないですか。それがBLの物語を創造する上で良いスパイスになります」
二次元という他人の作為ではなく、実在の人物が持つドキュメンタリー性=無作為の部分にオタクの作為を介入させることがカタルシスなのだという。ところで、本文中でも触れたが、福山雅治氏がラジオで行ったBL妄想についてはどう思ったか。前出のナマモノ腐女子の意見を聞いた。