――2000年代前半、「着メロ」にひっかけた造語として登場した「着エロ」。文字通り「着衣のエロス」を追求したイメージDVDやグラビア写真の表現手法・ジャンルのことだ。だが明確な定義があるわけではないこのジャンルの歴史と現状を見ていこう。
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「着エロ」という言葉がいつ、どこで生まれたのかは諸説がある。今回は各メーカー一押しの着エロアイドルのグラビアを愛でながら、その歴史を振り返ってみたい。まず、最初にその言葉を大々的に使用したメディアは、「FLASH」(光文社)の2002年9月17日号というのが通説だ。記事のタイトルは、「業界の革命児『GPミュージアム』傑作選 [着エロ]の世界へようこそ!」。ビデオ&DVDメーカーのGPミュージアムの過激なセクシー路線の作品を「着エロ」と称し、インリン・オブ・ジョイトイ、牛川とこ、堀口としみ、KAORIらの作品を紹介した記事だ。当時から業界に関わるDVDメーカー社員は「着エロという言葉はインリンから始まった印象がある」と語る。
「当時のグラビアアイドルは童顔巨乳が主流でしたが、M字開脚や過激な衣装で有名になったインリンには、まったく新しいエロさがありました。インリンはじめ、堀口としみ、岡元あつこなどが、当時の代表的な着エロアイドルですね。また、その頃はレースクイーン出身者が多かった。Tバックを穿き、腰を使ったエロティックな動きをするのが着エロ、というイメージも当初はありましたね」
つまり、グラドルの主流ではない女性たちが、衣装や動きの工夫でスターダムにのし上がる場となったのが、着エロだったというわけだ。では、どのような衣装を着ていれば、着エロといえるのか?着エロ作品を手がけたことのあるイメージDVD監督は次のように語る。
「明確な定義はないですが、Tバックを穿いていたり、極端に面積の小さい水着を着ていると、着エロのイメージは強くなりますね。撮り方では『股間をずっと追い、極端にズームする』、動きの場合は『腰やお尻で性行為を連想させる動きをする』などでしょうか」
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やがて、着エロと呼ばれる作品群は、2つの方向に先鋭化していく。