――AKB48が大々的に始めた「握手会」をはじめとする接触イベントは、いまやアイドルの活動にとってなくてはならないものになっている。そこでアイドルは、ある者は恋人トークで、ある者はバストを寄せ……と、さまざまな方法でファンを“気持ちよく”させようと頑張っているという。その実態に迫る!
『AKB48握手会完全攻略ガチマニュアル』(コスミック出版)
2017年現在、メジャー、インディーズ、地方勢などを含めると、アイドルの総数は全国で約3000組ともいわれている。そして、そのビジネスの根幹にあるのが、握手会に代表される、アイドルとの直接交流を売りとする「接触商法」だ。
では、この「アイドルの握手会」はいつ頃から行われているのだろうか? 発祥については諸説あれど、少なくともいまの流れを生んだのは、05年に結成された「会いに行けるアイドル」AKB48であることは間違いない。それまでの握手会は基本的に、「ライブやCD購入の単なる“おまけ”」でしかなかったからだ。
とはいえこの接触商法自体は、アンダーグラウンドなアイドルシーンにおいてはすでに発見されてはいた。制服向上委員会(92年~)、FICE(01年~)、ピカピカ(01~02年)、Chu!☆Lips(05~11年)などがその代表選手であろう。しかしAKBが画期的だったのは、この接触商法を発展させ、ストレートにビジネスに落とし込むという手法を広く世に知らしめたこと。以降この手法は、なかば揶揄気味に「AKB商法」と呼ばれ、アイドル戦国時代の幕が開ける10年以降はデフォルトの手法となっていく。さらにBiS(第1期/10~14年)によって、それまで地下アイドルのシーンで育まれていた接触商法の多様なバリエーションが発展。結果、その他のアイドルも他アイドルとの差別化を図らんがために一部は過激化し、現在では多種多様な「接触」の形態を生み、百花繚乱の様相を呈しているのだ。
アイドルの握手会において欠かせないのは、疑似恋愛要素だ。ファンからすれば握手会とは、10代前後の女性と物理的に接触をし、見つめ合って会話ができるというもの。となるといきおい、握手会にとってもっとも重要な要素のひとつに「エロさ」が挙がってくるのは避けられまい。都内で鍼灸院を営む整体師も、手と性愛との相関関係についてこのように語る。