――女性の胸コンプレックスという話はよく聞くが、実は女性同士でもっとも熱を帯びる話になるのが、乳輪の形状なのだという。ここでは、これまでなかなかとりあげられることのなかった乳輪について、海外の論文や整形外科医などの話から、考えるべき乳輪について見ていく。
女子会プロデューサーKENJI氏によると、女子の理想の乳輪としてあげられるのが、紗倉まなちゃんなのだとか。
男性のおっぱい好きに関しては、もはや言を重ねるまでもないだろう。古今東西の数多くの男性たちが、女性のおっぱいに対して並々ならぬ関心を抱いており、マスコミではあらゆる角度からおっぱいについての記事を掲載してきた。また、世俗的な言説ばかりでなく、学術的にも医学、心理学、文化人類学、社会学など、さまざまな角度からも研究が行われてきている。しかし、そんなおっぱいに対して、我々は何かを見落としていないだろうか?
そう、乳輪だ。
「乳輪が見えている!?」──水着グラビアなどでそんな疑惑が持ち上がると、男性はその視線をじっくりとおっぱいの中心部に据える。おっぱいの一部でありながら、乳房とは異なる魅力をたたえている乳輪。「薔薇いろの一双の蕾」(三島由紀夫『潮騒』より)、「うす赤い柘榴の実」(芥川龍之介『女体』より)など、その魅力にとらえられた文豪たちは、さまざまな言葉でその2つの小さな円を彩ってきた。
ただここまで、乳輪に対しては男性たちのエロティックな目線ばかりが目立っているが、実は、女性たちも自らの乳輪に対して高い関心を寄せているようだ。「FRaU」(講談社)13年3月号で実施されたアンケートによれば、実に72%もの女性たちが、乳首の色に関して「不満」もしくは「やや不満」と回答しており、「Seventeen」(集英社)03年7月15日号では、中学3年の女子から「あたし乳首が黒いんです!!!」、高2女子からは「乳輪がひろい。これはまじはずいし」などの声も挙がっている。一般的に年齢とともに乳輪の色は濃くなっていき、妊娠・出産などによってさらに色素沈着は増していく。20代以上の女性がこの悩みをさらに深めていくことは想像に難くないだろう。
いったい、なぜ、乳輪や乳首は我々を惹きつけてやまないのだろうか? 本稿では、乳輪をめぐるさまざまな言説から、その意味を捉えてみよう。
乳輪の色が濃すぎる、その悩みは自意識過剰?
「女子会プロデューサー」として、これまで数千人もの女性から性の悩みを聞いてきたKENJI氏は、女子会という女の花園の中で、日夜、乳輪に関する情報交換や悩み相談が行われていると話す。
「乳輪のサイズが大きすぎるのではないか、あるいは小さすぎるのではないか……。また、乳首をいじりすぎてしまって形が変わってしまった……。女子会の中では、そんな悩みが赤裸々に飛び交っています。そもそも、乳房の大きさについてはさまざまな角度から語られていますが、乳輪や乳首の詳細についてあまり語られることはありません。その結果、『自分の乳輪は他人と違うのかもしれない』とコンプレックスを抱いてしまうようです。また、アダルトビデオを見れば、近年のセクシー女優は乳輪の色や形もキレイ。そのため、自分の身体との落差にますますコンプレックスになっていく……。特に、紗倉まなちゃんの乳輪は、多くの女性にとって憧れの存在となっているようですね」
KENJI氏は、これまで200人ほどの女性を対象に調査を行い、特に女性の悩みが多い「乳輪の大きさ」について、メネラウスの定理をもとに次のような公式を導き出している。