――こちらの記事では、ハリウッドで“原作レイプ”がまかり通る理由を説明したが、こちらの記事では具体例を挙げていこう。
■「本の世界の魔法」を借りて原作者を追い払う!
『ネバーエンディング・ストーリー』
[1984年]ミヒャエル・エンデ VS ウォルフガング・ペーターゼン監督
世界的ベストセラーである原作を、当時の最新SFX技術を惜しみなく使い映画化。しかし、映画の「本の世界“ファンタージエン”の力を借りて、現実世界のいじめっ子に仕返しをする」というラストは、原作と正反対の終わり方であるため原作者のミヒャエル・エンデは激怒。ちなみに、この監督は『U・ボート』(81年)の製作でも原作者を怒らせている。
■厄介者同士の自己主張で泥沼の争いに
『シャイニング』
[1980年]スティーブン・キング VS スタンリー・キューブリック監督
『時計じかけのオレンジ』や『フルメタル・ジャケット』でも原作者とトラブルが発生したキューブリック監督。案の定、本作でも原作者のスティーブン・キングは「原作が改変された」と激怒。ただし、キングは自著の映画化の多くを嫌っており、特に「一番ひどい」とキング本人が語っているのが、自ら監督した『地獄のデビル・トラック』……というオチもつく。