――昨今の日本語ラップの状況を見渡し、新作『軌跡』のリリースにたどり着いたDJ KRUSH。世界的な成功を収めた彼が作り上げた奇跡の作品が、これだ!
(写真/有高唯之)
ソロ活動開始から25年という節目の年に、通算10枚目となるアルバム『軌跡』をリリースするDJ KRUSH。なんと本作は、彼自身にとって初となる日本語ラップで構成されている。
「以前、ソニーと契約していたときはワールドワイドに動いていたから、日本語だけで1枚っていうのはなかなかできなかった。けど、改めて日本のヒップホップの状況を見たら、日本語ラップのレベルも上がって、層も厚くなっているし、今がいいタイミングかもしれないと思ってね」
ちなみにソロ活動以前、彼は〈KRUSH POSSE〉というラップ・グループで活動し、日本のヒップホップシーン黎明期を支えていた。
「MUROとKRUSH POSSEをやっていた頃は、日本語ラップを世界中へ広げたい気持ちでやっていたけど、解散後、このまま日本だけでやっていてもダメだと思って海外に目を向けて。でも、日本語ラップは自分のルーツだし、もう一度基本に戻りたかった。80~90年代にどっぷりとヒップホップに浸かってきた男が、今の若いアーティストらと組んだときに、どういう化学変化を起こせるかという挑戦でもあるし、いろんな思いが込められた作品になったね」
新作にはDJ KRUSHと共演歴のあるRINO LATINA Ⅱから、もっとも若いメンツとしてはCreepy NutsのR-指定(25歳)まで計8名のラッパーが参加。