――疲れたOLなどを中心に、美容の最先端として利用されているヨガだが、その内容は思想性をはらんでいる。教室では、ヨガの教えを説くあまり、常識から逸脱した思想にとらわれてしまう人もしばしば。さらに、新宗教がバックアップするヨガ教室なども少しずつ増えているようだ。
日本でも多くの芸能人がヨガ教室に通っていることを、インスタグラムなどで喧伝している。そういえば、渡辺満里奈がいっとき、やたらと推奨していたピラティスはどうなっちゃったんでしょうか? あっちのほうが思想性がうすそう。
「依然としてヨガブームは続いていますが、その裏にさまざまな問題を抱えています。怪しいヨガスタジオも結構あるし」
あるヨガインストラクターの話から、この取材は動き出した。オウム真理教事件から20年以上の歳月を経て、空前のヨガブームとなっている現在。セブン&アイ出版が17年に行った調査によれば、月1回以上行っているヨガ人口はおよそ590万人と推計され、その市場は2600億円にまで拡大している。だが、このブーム以前、オウム事件の余波を受けたヨガは、「危険」「うさん臭い」といった目が向けられ窮地に立たされていた。それにもかかわらず、現在ではそんな過去がなかったかのように、「おしゃれ」で「セレブ」なライフスタイルとともに、その美容・健康効果が喧伝されている。
では、そもそもヨガはどのようなものなのだろうか?
ヨガがここまでのブームとなったのは2000年代。03年頃から、マドンナやメグ・ライアン、スーパーモデルのクリスティー・ターリントンなど、海外セレブがヨガを実践しているという情報が入り始め、日本でも徐々にヨガ人口は増加。しかし、それ以前のヨガは日本では、決してセレブリティの運動ではなかった。その典型的な事例がオウム真理教だ。