――むせ返るような香水のにおいが漂う百貨店の1階で、化粧品を販売する華やかな“美容部員”のお姉さんたち。資生堂、シャネル、クリスチャン・ディオールといったブランドの名を背負って働く彼女たちは、薄給でこき使われ、職場の殺伐とした上下関係に苦しんでいる!? 異性交遊などプライベートも含めて、現役美容部員が実情をぶっちゃける!
資生堂では美容部員のことを「ビューティーコンサルタント」と呼ぶらしい。
[座談会参加者]
A…20代、オーガニック系ブランド勤務
B…20代、外資系ブランド勤務
C…30代、外資系ブランド勤務
D…20代、国産ブランド勤務
──みなさんやはり、おきれいですね。
A きれいな人が多いのは確かかも。特に私はオーガニック系スキンケアブランドなので、お肌が荒れていたら説得力がない。
B でも、ブランドによって差は結構あるよね。一般的に、シャネル、クリスチャン・ディオールはアジアの代表として黒髪&キツめの顔立ちで化粧が濃い。笑ってても目は笑ってない人も多いような(笑)。同じ外資でも、NARS、M・A・Cはモード系、エスティ ローダーは……きれいな人は少ない。
C RMK、ジル スチュアート、アナスイはかわいい系だね。コーセーのブランド、アディクションはモード系で売れているけど、ケバすぎだよ。同じくコーセーの子会社、アルビオンは人数が多い分、差が激しい。花王のエストは普通の人というか……。
D ドゥ・ラ・メールやラ・プレリーなどクリームが5万~10万円もするようなブランドは、客の年齢層が高いせいか、同じように美容部員の年齢層も高いよね。
A ウチはナチュラル系をいいことに、化粧っ気のない人が多いかも。
C 百貨店によっても雰囲気がだいぶ違う。伊勢丹新宿店は忙しいから動ける子が多いし、小田急新宿店のような年配客が多いところはゆったりとした優しい子、渋谷の東急本店はゆるやかな子、西武渋谷店や池袋店のような人が多いところはバリバリ働ける体育会系、横浜タカシマヤは地元の昔からの顧客が多いので話し上手なベテラン……というイメージ。
B ウチのブランドは、渋谷と銀座の店舗にきれいどころを集めていると聞いたよ。ただ、あまりにきれいすぎると近寄りづらくなってしまうので、美容部員それぞれに顔に点数を付けて合算、バランスを配分しているらしい。制服のサイズも厳しくて、銀座三越で働く場合は5号まで、とか。だから、太ったらダメなんだよ。
C 私が働いていて思うのは、やはり伊勢丹新宿店のブランド力。あそこで働いている子に対しては周りの扱いも違うし、実際に毎日朝礼で昨日の売り上げと今日の予算を確認していると聞いて、しっかりしてるんだなと思った。