――グラドルとしてさまざまな水着を着こなしてきた片岡沙耶。被写体として魅力的なことはいわずもがなだが、つくり手としての一面も持ち合わせていることをご存じだろうか?文化服装学院ニットデザイン科で3年間デザインを学び、卒業制作では教師の反対を押して、ルームウェアという視点からランジェリーをデザイン/制作したのだ。在学中から始めた被服への情熱はさらに勢いを増し、ツイッターや雑誌で自作のランジェリー水着を公開するに至っている。そんな片岡さんが、下着コンシェルジュ見習いのA実さんといっしょに、日本のランジェリー事情について考察する。
(写真/三浦太輔・go relax E more)
なぜ男性は下着の上下バラバラを嫌うのか?
(写真/三浦太輔・go relax E more)
片岡沙耶(以下、片岡)男性は、“下着が上下バラバラだと萎える”という意見が多いそうですね。
――一方で女性は、2013年のマイナビウーマンの調査によると「『上下お揃い』派が約4割なのに対し、『上下バラバラ』派が6割に達する勢い」とあります。
片岡 どうしてブラジャーとショーツがお揃いじゃないとイケナイのでしょうか。あえて上下をバラバラにすることのほうがファッション性を感じますよね。素敵なブラジャーと、素敵なショーツを選んで、それを自分好みに組み合わせる。センスさえあればどんどんおしゃれにコーディネートできるし、そこには無限の可能性があるはずです。
――実はブラジャーは、これまで機能性を重視した商品で、表面上のデザインやファッション性については、最近やっと一般でも話題にのぼってくるようになりました。女性のニーズに合わせて、ワコールでは、上下別々のコーディネートを楽しむことを宣伝文句にした「IN CARAT(インカラット)」というラインを展開していますよね。またワコールアメリカがとりあつかう「b.tempt'd(ビーテンプティッド=誘惑される)」というブランドも、ピンクのレースブラとピンク&ブルーの水玉ショーツを合わせるなど、ブラとショーツをセットだけではなく、ハズして楽しもうという提案をしています。
片岡 私が上下バラバラコーデを楽しむなら、ショーツは綿のパンツ一択です。穿きやすさでいうと、子どものころに穿いていたような綿のパンツに勝てるものはありません。ブラジャーも綿素材のもので揃えたいところですが、私の場合はサイズ的になかなか見つけられなくて。どうしても大人っぽいデザインになる。大人っぽいブラジャーと、子どもみたいな綿のパンツの組み合わせに萌えてくれる男性だったら、すごくわかり合えそうです。
胸の大きい女性にはおしゃれデザインがない不思議
(写真/三浦太輔・go relax E more)
片岡 よく言われることですが、大きいお胸のサイズのブラは、おしゃれなデザインのものが少なくて、びっくりします。
――日本の場合、下着のサンプルはたいていC70を基本にして作られています。一部、G70のサンプルもあるようですが、これが、日本人の平均的なサイズということなんですよね。
片岡 私が、初めてワイヤー入りのブラジャーを着けたのは、中学校1年生の終わりごろでした。そのころはまだ、安くてかわいらしいブラジャーでもサイズがあったんです。でも、どんどん成長していって、いつの間にやらG65になりました。こうなると自分に合うサイズのブラジャーで気に入るものが、本当に少ない。苦肉の策で、サイズをずらしてFの70で探しています。日本は豊かな国で、食べ物も品物も溢れている。でも、胸が豊かな女子に合うブラジャーは、ぜんぜん溢れていないんです。チープにランジェリーを楽しむ、というファッション的な視点で楽しむことは夢のまた夢です。やはり需要が少ないのでしょうか?