――雑誌は雑誌でも、限られた者にしか閲覧できないもののひとつに「ファンクラブ会報」がある。ファンのみが知るその世界について、アイドルグッズ専門店に聞いた。
1986年4月に亡くなったアイドル、岡田有希子のファンクラブ会報「YUKIKO」第3号。手作り感あふれるデザインである。(写真提供/カルチャーステーション)
こちらの記事ではジャニーズ系雑誌の知られざる世界をひもといたが、ここでは女性アイドルや女優たちのディープな世界を探るべく、「ファンクラブ会報」について掘り下げてみたい。
ファンクラブ会報とは、芸能事務所が運営するファンクラブから定期的に会員へ配布される冊子のことだ。刊行の頻度はさまざまだが、年に3~4冊程度が一般的。ファンクラブの年会費の相場が3000円から5000円程度なので、単純計算すると会報1冊当たり1000円前後となる。
会報の編集は事務所主導で行われ、その会報限定のインタビューやオフショットが掲載される。また、一般の雑誌ではあまり取り上げられないようなタレントの趣味が全開となった企画も少なくない。あるアイドルのファンクラブ会報を手がける編集者はこう話す。
「アイドル自身が企画のアイデアを出すことも多いです。“好きなアーティストと対談したい!”とか。でも、会報ってそのアイドルのファンしか読まないので、載る人にはあまりメリットがないんですよ。予算もそれほど多くないので、ギャランティも少ないし、対談相手のブッキングはかなり難しい。そのくせアイドルはアレしたいコレしたいと言ってくるので、編集はかなり大変です」