――今、ラジオが何度目かの注目を浴びるメディアになっている。2016年秋よりradikoにタイムフリー機能+シェア機能が加わり、リアルタイム以外での聴取が可能になった。一方、今年1月には、15年以上聴取率ナンバーワンを守るTBSラジオを中心に、オフライン視聴も可能なアプリがリリースされた。広告収入が下がり続ける中で、ビジネス的にもカルチャー的にも開いたメディアに変わろうとしているラジオの現在を追う。
タイムフリー機能により、ラジオを聴く頻度が劇的に増えている人も。(画像は本ページ担当編集が現在最も好きなラジオ番組『ハライチのターン!』)
ラジオが今、変化の時を迎えている。2016年11月から、本放送から1週間、再生時間を3時間以内と限定して放送後に番組を聴けるタイムフリー機能と、面白かった部分をツイッター等にURLで貼り付けられるシェア機能がradikoに搭載された。また、聴取率(テレビでいう視聴率)ナンバーワンの座を走り続けるTBSラジオを中心に、今年1月には新たなアプリ「ラジオクラウド」がリリース。番組本編や放送終了後のアフタートークが、ダウンロードしてオフラインでも聴けるようになっている。ラジオ受信機を持たない人が多数派になりつつある中で、スマホを利用してリアルタイム以外の聴取を前提とした環境を構築しようと、業界側が本腰を入れている様子がうかがえる。
中でもradikoの新機能は最も大きな変化だ。同アプリは、10年に難聴取対策をメインとしてスタート。ダウンロード数は2000万近く、月350円で全国のラジオが聴けるプレミアム会員は30万人を超える。タイムフリー機能開始後のインタビューでradikoの運営者が「実際のところ、まだ『ラジオ』という機器でラジオ放送を聞いていらっしゃる方の方がずっと多い。しかし若年層の中で、スマートフォンの中でのradikoの存在意義は大きいはずです」(AVウォッチ16年11月22日掲載「とにかくラジオリスナーを拡げたい。radikoに聞く『タイムフリー』導入の狙い」より)と語るように、スマホメインの若年層にも届かせるために、重大な役目を果たしている。