――雑誌グラビアに載っているグラビアポエムに、あなたはお気づきだろうか? 正直、かわいい女の子のお尻やおっぱいだけで十分と思えるグラビアに、ありきたりなポエムが載るのはなぜか? 本稿では16年下半期のグラビアに掲載されたポエムを厳選し、一線級の歌人の方々に“やばい! グラビアポエム”を選評していただいた。
『ポエムに万歳!』(新潮文庫)
「直視をはばかる画像と、それを眺める青年の劣情を詩的感興に似た場所にさせるためには、ポエムという、論理によらない、欲望と感情のレトリックがどうしても必要だからだ」
本誌連載陣の小田嶋隆氏は、著書『ポエムに万歳!』(新潮文庫)で、グラビアポエムの必要性をこう分析している。
紳士諸君が凝視するもぎたてセクシーなお乳のすぐ脇に、そっと文学的な香りを漂わせるテキスト。キャッチコピーというには少しイタイにおいが漂うこのテキストは、マンションポエムをはじめとするポエムに名前をつけるブームに乗って、「グラビアポエム」と呼ばれている。一見「無駄」にみえるこのポエム、実は70~80年代のグラドル黎明期から現在までの雑誌に掲載され続けているのだから、なにか「意味」があるはずだ。
いったい誰が、どんなこだわりを持ってグラビアポエムを執筆しているのだろうか? かつて、「EX大衆」(双葉社)で、グラビアポエムを執筆していたライターの廣田恵介氏の証言を聞いてみよう。