――10通りのオナニーがあれば、10通りのネタが存在する。それは似ているようで、似ていない。性癖は人それぞれ――そんななかエロマンガは、読者のニーズに応えるべく、時代と共に細分化しながら進化している。ここでは本誌が注目する新進気鋭のマンガ家にエロマンガの“今”を聞いた。
最新刊『ボクはキミのメス化ノジョ』から「先生のオチンチンでボクの前立腺目覚めさせてぇ…♡」のルビ。前立腺は、時としてお姫様になるのである。
本誌昨年のマンガ特集で、エロマンガ御三家(中西やすひろ、遠山光、みやすのんきの3氏)は、「自主規制が厳しい商業誌よりも、今はウェブや同人誌で支持を集めるマンガ家たちの間で、エロの文明は開化している」と話した。
そこで、本稿に登場してもらうのは、まさに独自のアイデアと世界観で、エロの文明のみならず、作中に登場するキャラクターに菊の門まで開花させているマンガ家・チンズリーナ氏。ちなみに、その名前の由来は「エロ1本でやっていきたい」という決意から、「センズリ」に可愛らしさを付加したものである。
氏が描くのは、男と男のエロ。しかし、あくまで(犯される側の)キャラクターのルックスは、少女マンガに登場するような可愛らしい女の子。人妻、団地妻、不倫、教師と生徒などといった、エロマンガにおける伝統的な禁断の設定にとらわれず、“男の娘”を題材にした、BLともまた趣向の異なる独特のエロ描写である。