話題作の著者 元最高幹部を直撃
元関東連合最高幹部が描いたノンフィクション『聖域 関東連合の金脈とVIPコレクション』(宝島社)が、話題だ。半グレ集団という、暴力団とは異なるアングラ組織は、いかにして芸能界やビジネスの世界と接点を持っていったのか? 同書の著者である柴田大輔氏に話を聞くことができた。
作家でもある柴田大輔氏は、本文でも触れた三部作に加えて、神戸連続児童殺傷事件の加害者が書いた『絶歌』(太田出版)を独自に考察した『酒鬼薔薇聖斗と関東連合』(小社刊)も刊行。
「関東連合」といえば、半グレ集団と呼ばれながら、芸能界とも深くかかわってきた組織とのイメージで語られてきた。その名を知らしめた「市川海老蔵暴行事件【1】」の加害者は、関東連合関係者だったし、人気タレントの中にも同組織との交友関係が噂された者は少なくない。
だが、2012年に起きた「六本木クラブ襲撃事件【2】」で主要メンバーが摘発され、事件の首謀者で関東連合のトップだった見立真一容疑者が海外逃亡するに至って、組織は壊滅状態になったといわれる。
一方で、「今でも関東連合関係者を名乗って、夜の世界や芸能界の背後に暗躍する者たちもいる。『あの芸能プロは関連連合系だ』なんて言われ方をすることもあった。ただ、関係者名簿があるわけでもないし、実際は関東連合の定義もわからない」(週刊誌記者)との声も聞かれる。
いまだ謎に包まれる関東連合。その実態を克明に記したノンフィクションが、元関東連合最高幹部である柴田大輔氏が著した『聖域 関東連合の金脈とVIPコレクション』(宝島社)だ。
柴田氏はこれまでも「工藤明男」というペンネームで、六本木クラブ襲撃事件後、関東連合の成り立ちから、同事件の真相までを描いた『いびつな絆』『破壊の連鎖』(いずれも宝島社)を出版。『聖域』は、そのシリーズの完結編で、関東連合と芸能界やIT業界との関わりが、著名人たちの素顔や華やかな世界の舞台裏とともに描かれている。