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連載
佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第101回

料理動画「テイスティ」の大ヒットが指し示す、これからのコンテンツの「質」

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進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

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これ以上ないくらい見やすい動画も特徴の「テイスティ」。

手元だけが映る画面の中で、手際良く素材を切り、炒め、ソースをからめる――真俯瞰で撮影された洒落た料理動画を、フェイスブック上で観たことはないだろうか? バズフィードが提供し、言語の壁を超えて流行中の「テイスティ」シリーズから、今後求められるコンテンツの「質」を考える。

 新興メディアのバズフィードが昨年夏に始めた「テイスティ」という料理動画のシリーズがある。5つのフェイスブックページで拡散されていて、これらのページへの「いいね」は総計なんと1億を超えている。日本人の人口と同じぐらいの人数が「いいね」しているのだ。

 バズフィードにはこれまでも「フード」いう動画のシリーズがあった。こちらはどちらかといえばチープでジャンクな料理が中心だったのだが、テイスティはもう少し本格的な家庭料理を取り上げ、シズル感を重視した撮影になっている。「フード」はニューヨークにあるバズフィードの本社で制作されていたが、本格的な動画制作部門「バズフィード・モーションピクチャーズ」がハリウッドに設立され、テイスティはこちらで制作されているようだ。ハリウッドのチームの撮影はさすがに違う、と感じさせる。

 当初、テイスティの制作チームはさまざまな長さの動画を撮影し、フェイスブックで発信してどのような反響があるのかを調べた。その結果、最も多くのページビューを獲得し、シェアもされたのは、40秒の動画だったという。そこで制作チームの名前を「FB40」と呼ぶことにして、本格的な料理動画の配信をスタートさせた。

 2016年初めのビジネスインサイダーのインタビューで、バズフィードのジョナ・ペレッティCEOはテイスティについてこう答えている。

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