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『クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第35回

【クロサカタツヤ×矢崎裕一】「データビジュアライゼーションは、マスなき時代のメディアに代わる表現となるのか!?」

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通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

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(写真1)「もうひとつのメダル順位」(Alternative Olympics medal table)グーグルがリオ五輪で見せたデータビジュアライゼーションの一例。単純にメダルの獲得数だけを集計するのではなく、財政やスポーツにかける予算、人口やGDP、オリンピック愛といった国ごとに異なる状態を、もし同一だったら、と仮定してソートし、それぞれのカテゴリでの「メダル数の合計順位」を出す試み。https://landing.google.com/altmedaltable/results

データ、データと叫ばれても、数字の羅列を突きつけられると、ついつい目をつぶってしまうという人いますよね? そんな人でもマウスでちょこちょこデータをいじると、地図上に描かれたグラフが変化したり、うねうねと動いたりして、データとその変化を視覚的に理解できるのがデータビジュアライゼーション。見た目が楽しいだけでなく、新しいデータの見方がわかるなど、いろんなメリットがある表現手法だ。そのデータビジュアライゼーションの第一人者が、日本のデータの課題と展望について提言する。

クロサカ ビッグデータやオープンデータなど、改めてデータに関する言葉が注目を集めています。そうした中、データをどのように見せるのかという観点から、データビジュアライゼーションという手法に光が当たっています。今回のゲストの矢崎さんはデザイナーとして活動しながら、「データビジュアライゼーション実務家」でもある、この分野の第一人者です。

矢崎 データビジュアライゼーションは、データ=情報をビジュアライズ=視覚化するという言葉の成り立ちからわかるように、情報をわかりやすく視覚化する手法や考え方のことです。単にグラフにするだけでなく、地図上にプロットしたり、時系列の変化を動きで表現したりすることで、わかりやすく情報量を増やすことを目指しています。

クロサカ 選挙があると、新聞やテレビ局のサイトでよくやっているヤツですね。

矢崎 そうです。最近では、リオデジャネイロオリンピックでグーグルが、各国の獲得したメダル数を単純に集計するだけでなく、人口やGDPなどの国力を勘案して、よりフェアに比較するサイトを作っていました(写真1)。

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(写真2)不相談情報サイト「SUUMO」のスマホ版には支払いシュミレーションがあり、物件の価格や金利、ボーナス支払額などを調整しながら実際の支払額をシュミレーションできる。

クロサカ あと不動産情報のサイトでも、金利や収入などを入力すると住宅ローンの借入可能額と月々の返済額をシミュレーションしてくれるというのもありますよね(写真2)。あれによって、自分の立ち位置とそれに対する姿勢がおのずと明らかになりますよね。

矢崎 そんなふうにユーザー自身がデータを触った結果を、アルゴリズムによって画面上に描画することで、いろんな見方をしたり、意味を読み取ったりしやすくできるのが特長です。

クロサカ さっきの住宅ローンにしても、使う個人情報は深いところまで踏み込んでいるもの。普通のメディアでは、セキュリティとかプライバシーといった点から、なかなか踏み越えられません。インフォグラフィックを使って、それを踏み越えて、人を動かす可能性を見せてくれます。矢崎さんは、これまでに、そこで実際に人が動いたと実感した瞬間はありますか?

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