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佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第100回

アップルの断捨離極まれり!iPhone7で消えたヘッドフォンジャック

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進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

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『iPhone 7/7 Plus スタートブック(SB MOOK)

iPhone7から、ヘッドフォンジャックがなくなった。日本のユーザーの間では「ブルートゥースユーザーが増えたら、混線して他人に聴いているものがバレて恥ずかしい思いをする」というデマも生まれるなど、それなりの衝撃を与えたこの決断は、アップルにとってはどんな思惑があるのだろうか?

 発売されたiPhone7から、ヘッドフォンジャックがなくなってしまったことが、メディアで論議を呼んでいる。小さなジャックひとつぐらいで、何をそんなに騒いでるんだ……と感じる人もいそうだが、しかしこの問題は意外と深い。

 振り返ってみれば、アップルの歴史はさまざまな外部デバイス・外部ポートの断捨離の歴史でもあったといえる。これはもともと、スティーブ・ジョブズがガレージで開発を始めた頃からのDNAだ。外部ポートはできるだけ少なくし、拡張可能な外部機器をそろえ、そしてケースの内部はユーザーには見せない。この哲学は初期のApple Ⅱからあり、初代マッキントッシュは特殊な専用ドライバーを使わないとケースを開けられなかった。

 ジョブズが追い出されてオープン化の方向に進んだように見えた時期もあったが、ジョブズが復帰してからは、初代iMacでフロッピーディスクドライブをなくし、MacBookシリーズではイーサネットのコネクタを廃止し、DVDドライブをなくした。DVDが使えなくなった当初はずいぶんと不便な思いをしたものだが、気がつけばDVDというディスクを使う場面も日常ではあまりなくなって、DVDドライブの不在に困ることもほとんどなくなっている。

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