『洋楽日本盤のレコード・デザイン シングルと帯にみる日本独自の世界』
ラップにおける暴力や犯罪の過激なリリック、中でも性差別表現においては、商品に歌詞が掲載されないこともしばしばだ。では、対訳が売りである国内盤CDでは、どのような措置が取られているのか?
極論、対訳者のほとんどが「オブラートに包んだ表現にしている」という。中にはレコード会社から「直接的に訳さないでほしい」と依頼されることがあれば、丸ごと割愛する場合もあるという。対訳の仕事を数多くこなすAさんに話を聞くと、「そのまま訳して伝えられないような曲もあります。そうした場合、意訳になることを理解してもらった上で訳している」とのこと。
また、歌詞が掲載されていない商品に対し、レコード会社が対訳者に英語の書き起こしを依頼するケースがあり、さらに、その対訳も付けて販売することもあるが、実はこれがグレーだと話すのは、現役のインターナショナル部門のスタッフだ。