――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!
今年も開催された「み霊祭り盆踊り大会」の様子。『一休さん』で狂喜乱舞する盆踊りには、得も言われぬ高揚感が秘められている。(写真/ケイコ・K・オオイシ)
2011年、いくつかのネットメディアに掲載された記事をきっかけに、とある盆踊り大会が注目を集めた。それが、神奈川県鶴見区・總持寺の「み霊祭り盆踊り大会」(毎年7月17~19日)だ。話題となったのは、テレビアニメ『一休さん』のオープニング曲で熱狂する群衆の姿。「愛してる(愛してる!)」というコール&レスポンスは、さながら野外フェスのようだが、その熱狂を扇動しているのは、やぐらの上にズラリと並ぶ若い修行僧たち。曹洞宗の大本山、總持寺で続けられている行事とはとても思えないド派手さだ。
僕もこの夏、初めて足を運んだのだが、そこに広がる空間は予想以上だった。どこまでも広がる踊りの輪、フェスを凌駕するほどの凄まじい熱気、そして『一休さん』がかかった瞬間の爆発的な高ぶり。翌日、撮影した動画をツイッターにアップすると、地元の中学生たちによって拡散され、あっという間にリツイート数は300を超えた。彼らにとってはリツイートによる拡散も、一種の“祭り”なのだろう。