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『ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術』(NTT出版)
2014年頃から日本でも注目を集め始めたフィンテック。ちょうどそれと前後してマウントゴックスの破綻で一般的に知られることとなったのが、ビットコインだった。そして現在、その基盤となる技術であるブロックチェーンが、ビットコインだけでなくフィンテックやその他の面でも注目されつつある。この技術がいったいどのようなもので、どう我々の生活を変えていくのか、を聞いた。
クロサカ 最近になって再びビットコインがニュースで取りあげられることが増えてきました。2014年にマウントゴックス【1】の破綻で、ネガティブな注目を集めてしまいましたが、ビットコイン【2】は現在さらなる広がりを見せています。特に、その基盤技術であるブロックチェーン【3】には大きな期待が寄せられ、フィンテックの代表格として、金融機関などが研究開発しています。今回のゲストの林さんは、認証技術やセキュリティを取り扱うかたわら、慶応大学でブロックチェーンの研究にも取り組まれています。そもそも、ビットコインとブロックチェーンの違いってなんでしょうか?
林 ビットコインは暗号や分散型ネットワークなどの技術を使った電子通貨で、そこで使われている分散型ネットワークがブロックチェーンです。それはビットコインを実現するために開発されたんですが、とても優れた技術だったため他のことにも使えるんじゃないかと、研究や実証実験が行われるようになりました。
クロサカ でも、電子通貨はビットコイン以外にもありますよね。なぜビットコインだけが世界的に広がったんでしょうか。