――宗教画のモチーフとして描かれ続けてきた聖母マリア像。その描かれ方にはタブーも多いはずだが、彼女の描かれ方を見ると、時代背景や権力者の影響、画家の美的感覚などが反映されている。ここでは女性の身体でもっともエロスの対象とされるバストの描かれ方に焦点を当て、西洋絵画の美を探っていく。
※レオナルド・ダ・ヴィンチは、近年、基本的に「ダ・ヴィンチ」ではなく、「レオナルド」と表記するので、その慣例に従っています。
聖母マリアと同じ名前を持つマグダラのマリアは、かなりエロく描かれている。(写真は『洞窟のマグダラのマリア』ジュール・ジョゼフ・ルフェーブル
メキシコ版『プレイボーイ』が2008年、謝罪に追い込まれる事態となった。プレイメイトがステンドグラスの前で白い布をまとい、ハダカのバストをさらけ出す表紙。聖母マリアと思しきモチーフが「キリスト教的な侮辱である」として、カトリック信者から猛反発を浴びたのだ。聖母マリアは処女性の象徴であり、21世紀になってもいまだカトリック社会において、性的に取り扱うことはタブーとされている。
古来から、西洋絵画では人気の画題であった聖母マリア。しかし、そこにはさまざまな制約があり、宗教的なタブーも数多い。いったい、キリスト教において聖母マリアとはどのような存在なのか? 母性の象徴としての“おっぱい”と聖母の”聖性”を検証すべく某下着メーカーに20年勤務するおっぱいのプロ・佐々木先生(仮名)のバストサイズ計測コラムとともに、キリスト教史、西洋美術史それぞれを踏まえながら、聖母マリアの「おっぱい」を概説しよう。