リオ五輪取材記者が語るバトルの裏
毎日のようにメディアを賑わせている小池百合子・東京都知事が斬り込んでいるのが、豊洲新市場の問題と、そして4年後の東京五輪開催予算等の総合的な見直しだ。世論の支持を背景に、大幅な見直しを断行するところまで行くのか、あるいは“老獪なる守旧派”森喜朗・東京五輪大会組織委員会会長がそれを押しとどめるのか、見ものだ。
『東京オリンピック 「問題」の核心は何か』(集英社新書)
A:全国紙五輪担当ベテラン記者
B:全国紙中堅記者
C:スポーツライター
A 7月31日の東京都知事選の直後は、東京五輪大会組織委員会の森喜朗会長も、小池百合子東京都知事との協力体制を築くことを強調していましたが、やはりあのふたりは犬猿の仲だよな。
B 都知事選の結果を、森会長はリオデジャネイロ五輪に向かうトランジット先で聞くこととなった。リオに到着した直後、森会長は早朝の5時半からわざわざ囲み会見を開きました。平静を装い、“失言”もありませんでしたが、小池知事に対して「勉強していただきたい」と上から目線。腹に一物を抱えたタヌキオヤジっぷりは相変わらず、ですね。
C 私もあの囲み会見を取材しましたが、東京五輪関連予算の具体的な数字がポンポンと出てきて、しかもそれがすべて正確なんですよね。政界を引退し、79歳となった今も、頭の中は衰え知らずです。自分はボランティアで東京五輪大会組織委員会の会長をやっているということをやたらと強調していました。囲み会見は会長が泊まるホテルのロビーで行われたのですが、実は私も同じ日にあのホテルに泊まっていて、一泊1万5000円。オリンピックパークに近いホテルとしては破格でした。さすがに森会長はスイートルームなどでしょうが、舛添要一前東京都知事の海外出張費が問題となったこともあり、安上がりのホテルに泊まろうというパフォーマンスにも受け取れました。