――我々の生活と密接なつながりがある条例の概要や影響力を見てきたが、では、「そもそも条例とは誰が作っているのだろうか? 専門家に話を聞いた。
『47都道府県これマジ!?条例集』(幻冬舎新書)
日本の法律については「国会に法案を提出できるのは国会議員と内閣」「内閣提出法案は実質的には各省庁の官僚が作っている」「国会議員の法律案の作成においては、衆参それぞれの法制局が支援を行っている」などの実態が、ある程度は知られている。では、自治体の条例は誰が、どのようにして作っているのだろうか? 地方議員向けのセミナーや講師派遣、法制支援などを行う地方議会総合研究所の所長の廣瀬和彦氏に話を聞いた。
「基本的には地方公共団体の執行部が作っています。憲法上では地方自治体の議会も条例制定等の立法機能を持っていますが、現実には議会から条例案が提出されることは少ない。『全国市議会議長会』が発表した2014年の統計では、全国の813市に提出された議員提出の条例案は910件だけ。そのうち新規の政策条例案は104件しかありませんでした」
なぜ、議員提出の条例案が少ないのか?