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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第32回

【哲学入門】例外状況になったとき、法に不可欠な「決定」というものが純粋なかたちであらわれる

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(写真/永峰拓也)

『政治神学』

カール・シュミット(田中浩、原田武雄・訳)/未來社(71年)/1800円+税
ナチズムの政治理論を支えたとされるドイツの法哲学者カール・シュミットの1922年の著作。下に引用した冒頭の一文がとくに有名で、「例外状況」から国家と主権者、その決定についての問題を考察していく一冊。

『政治神学』より引用
主権者とは、例外状況にかんして決定をくだす者をいう。

前回から引き続いて今回も、カール・シュミットの「例外状況」の思想について考えていきましょう。シュミットのいう「例外状況」とは、現代の私たちが「非常事態」だとか「緊急事態」などと呼んでいるものです。たとえば2015年11月にフランスでパリのコンサートホールやサッカー場などを標的とした大規模なテロ事件が発生し、130人以上が死亡しました。これを受けてオランド大統領はフランス全土に非常事態を宣言。この非常事態宣言によって、フランスの警察当局は裁判所の令状がなくても家宅捜索ができたり、公共の秩序と安全に対して危険な活動をしているとみなした人びとを自宅軟禁できるようになりました。

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