――ISILは巧みにネット動画を駆使している。人質を後ろ手にした脅迫や、交渉に応じなかった場合には、その首を切り落とすといった処刑動画を、以前はツイッターやYouTubeで配信することによって注目を集めていた。本誌は取材の中で、そんなISILの動画を制作したという日本人に接触した。インターネットの暗部“ダークウェブ”で行われたという、動画制作までの経緯と、その実態とは?
男性が制作に携わった動画のひとつとされる『戦争の炎(Flames of War)』。CGの炎自体はさほど凝ったものではない。
「人が死ぬ瞬間の動画」を目にしたことはあるだろうか? もちろんフィクションの話ではなく“本物”の映像だ。交通事故、暴力犯罪、自然災害、暗殺、そして戦争――世界中で記録されたさまざまなな“殺人”の動画は、ネットの発達により誰でも興味本位で閲覧できる状態となっている。
中でも、ここ数年で話題を席巻しているのがイスラム系過激派組織ISIL、通称「イスラム国」だ。捕虜を斬首や火あぶりといった残酷な手法で処刑し、その様子を公開する彼らの動画は極めて衝撃的である。
いったい彼らはなぜ、このように残虐な動画の公開に踏み切るのか? 世界中の紛争地域を渡り歩き、数多くの武装勢力と接触するなど、死体写真家として活動する釣崎清隆氏に意見を伺った。