――いわゆる「AVメーカー」が制作・販売するのではなく、「メディ倫」等の業界内自主規制団体も通さず、ひっそりと流通する「同人AV」なるものがあるという。男性側よりも、むしろ出演女性側が自ら手がけることも多いというこの「同人AV」の謎に迫る!
本文中に登場する藤木あやか氏が自ら手がけている同人作品。性行為はなく、あくまでも“着エロ”の範疇に収まっている作品である。
NPO法人ヒューマンライツ・ナウが発表した、「ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、女性・少女に対する人権侵害 調査報告書」が話題を呼んでいる。その内容は「本人の意思に反してAVに出演し、心身ともに被害を受ける女性が後を絶たない」というAV業界の問題を指摘し、法改正や監視体制の強化を求めるものだ。しかし、元AV女優で現在は作家、タレントとして活動する川奈まり子や現役AV女優の紗倉まな、天使もえらが、「現実と異なる」「女優は契約書に基づいて労働しており」とこれに反論。現在もネットを中心に議論が続いている。
そんな議論をよそに、個人女性が、明確に自らの意思でAVに出演、さらには制作まで手がける「同人AV」なるジャンルが存在するという。この同人AV、要は「個人による出資で自主制作するAV」だが、この説明では少々説明不足。『痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか』(太田出版)を上梓したばかりのAVライター安田理央氏は、「歴史をひも解けば、そもそもAVはすべて同人AVともいえる」と語る。