TBS『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』公式HPより
本誌3月号でも報じていた国税に査察に入られているという『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』の制作会社、Hi-STANDARDの立浪仁志氏が、東京国税局から法人税法違反の罪で東京地検に起訴された。
平成26年12月期までの2年間で2億7千万円の所得をかくし、7100万円を脱税した疑いが持たれている。
皮肉にもTBSの日曜劇場で高視聴率をマークした、『99.9—刑事専門弁護士—』によると、刑事事件で起訴された場合の有罪率は99.9%と言われている。そんな状況にいる立浪氏をさらに取材していくととんでもない現状が見えてきた。
「前回の記事が出た後も、表面上は総合演出の表記がなくなりましたが、実務的にはなにも変わらず番組が制作されています。さすがに少し異常ですよね。スタッフ間ではTBSも何かあるのか、さすがにかばい過ぎじゃないかと疑う声もあります」(業界関係者)
まず、立浪氏はどのようなからくりでお金を隠していたのだろうか。
「モニタリングはゴールデンタイムの番組ですから、一回の制作費が3千万円を越える額です。
さらに2016年4月からはそれが2時間に拡大され、単純に倍の制作費が局からあてられています。まともな制作会社ならば、真摯に番組を制作していくとなると、それでもカツカツの制作費ですが、立浪氏はその4割程度の金額で番組を制作していたそうです。
立浪氏の会社はワンマン経営なので、そのほとんどが立浪氏の懐に入っているようで、単純計算でも3億以上になります。そんな金額のしわ寄せは周りのスタッフの人件費などにきています。最近ではテレビの制作現場でも、ある程度労働環境が改善されている所も多いのに、立浪氏の番組では人件費が削られ、年間で1日しか休みがないなどざらでした」
そんな状況で金銭を貯えていた立浪氏。取材を進めていくと他にもさまざまな疑惑が寄せられてきた。
「以前からHi-STANDARDの立浪仁志氏には良くない噂が流れていましたが、まさかこんなにヒドいこともしていたとは。実は、私たちは立浪氏の弟から暴行を受けたことがあります。立浪氏の弟は当時番組のディレクターで、Hi-STANDARDの社員でもありました。
きっかけは確かに、スタッフ側のミスもあったとは思うのですが、モニタリングという番組の演出上、ずっと固定のカメラがまわっている中で暴行を受けました。テレビ業界は、一般の社会とは少し感覚も違っていますし、ミスして怒られたり小突かれたりするくらいは覚悟もあったのですが、あそこまでボコボコにされるとは……」
その関係者は精神的にきつく、泣く泣く番組を辞めるはめに。ただ、それでも腑に落ちないことがあるという。
「ただ、信じられないのは、カメラには暴行の証拠も残っていたこともあり、局のコンプライアンスの人たちに報告が回ったというのに、局側は平謝りが続くばかり。
結局、表沙汰にはならず局の関係者が立浪氏をかばうという姿勢でした。当時はモニタリングがゴールデンに進出した後、2014年の秋頃でした。結局そのテープはもみ消されてしまいました」
また他にも卑劣な出来事が浮かび上がってきた。
「同じく、立浪氏の弟から女性のADがレイプ被害にあったそうです。都内のホテルに呼び出され『分かっているな』とその後レイプされ、精神的に参ってしまいその後消息不明になっています」
それらの件も今回立浪氏が起訴されたことで、やっとかばう業界人が少なくなり話ができるようになったという。
「一応立浪氏の弟は番組からはいなくなり、制作会社でも表向きは姿を見なくなりましたが、番組の制作体制が変わることはなかったです。それでも数字の取れている番組で、業界歴の長い立浪氏から睨まれて業界にいられなくなることを恐れて、いままで口をつぐんできました。立浪氏側に立ったようなTBSの姿勢にも憤りを感じています。」
流石に起訴され公には立浪氏は制作からはずれたそうだが、未だに復帰を画策しているのではという行動を取っているという。
「実は番組のプロデューサーと個人的に会議を繰り返しているそうです。さすがにこんなご時世なのに起訴中の立浪氏をかばい続けるそのプロデューサーH氏を局内でも疑問視する声が増えてきています」とTBS関係者が明かした。
昨今なにかと苦戦の続くテレビ業界。視聴率以上に見直しが必要な闇がまだここにはあるようだ。