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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第103回

『ブルックリン』――NYの下町に響くアイルランド移民の希望と絶望と哀歌

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『ブルックリン』

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1950年代、人生に不満ばかり抱えるアイリーシュはアイルランドで母と姉との3人暮らし。姉の計らいでニューヨーク・ブルックリンでの職を得るも、新天地は彼女が想像していた生活とはかけ離れたものだった。同郷の神父やイタリア系の彼氏に励まされ、希望を持つアイリーシュだが……。

監督/ジョン・クローリー、出演/シアーシャ・ローナンほか。7月1日全国公開。


 アイルランド民謡とパンク・ロックをミックスしたバンド、ザ・ポーグスの1987年のヒット曲「フェアリーテール・オブ・ニューヨーク」は、あらゆるクリスマス・ソングのなかでも最も切ない歌だ。

 クリスマスのニューヨーク。ドランク・タンク、つまり酔っ払い専用の留置所、いわゆるトラ箱にぶち込まれた男女の会話。かつて2人は成功を夢見てニューヨークにやってきた。

「君は美しかった」「あなたはハンサムだった」

 しかし夢破れた2人は酒におぼれ、互いを罵り合う。

「お前は売女」「あんたはクズ」

 2人にはアイルランド訛りがある。そこからの移民なのだ。この歌を彷彿とさせる場面が映画『ブルックリン』にある。

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