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『クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第30回

【クロサカタツヤ×石田慶樹】LINEモバイルはなぜ炎上しない? パケ代が無料になる「ゼロレーティング」の功と罪

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通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

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格安スマホことMVNOブームが到来するなか、日本最大のユーザーを抱えるチャットアプリ「LINE」によるMVNOサービスへの参入が話題をさらった。一方で「通信の秘密」や「ネット中立性」から批判する声もあるにもかかわらず、炎上するまでには至っていない。キーワードとなる「ゼロレーティング」を含めて、どこがビジネスのキモで、何が法的に危ないのか、インターネットの中の人に聞いてみた。

クロサカ 少し前に、LINEがMVNO【1】による通信サービスを始めると発表しました。LINEという、今の日本で最も強力なコミュニケーションサービスによるMVNO進出に加えて、LINEやその関連サービスを利用した場合は、月に500円の定額料金だけで済むことが話題になりました。ユーザーには単純に喜ぶべきことに見えますが、実は通信業界にとっては「パンドラの箱」を開けるのに等しいインパクトです。そこで、今回は日本のインターネットの機関にたずさわってきた、石田慶樹さんをお招きしました。

石田 LINEモバイル【2】の件は、本当にパンドラの箱ですよね。日本の通信業界が抱えてきた、いろんな課題や矛盾を明らかにしました。

クロサカ 石田さんは、6月までJPIX【3】の社長を務めておられましたよね。JPIXはIX【3】を運営していて、いわばインターネットの縁の下の力持ち。一般的にはあまり知られていないですが、日本のインターネットで何かが起きると真っ先にわかる立場です。それもあって、石田さんはインターネットガバナンスにも深くかかわって来ました。石田さんから見て、LINEモバイルは何が問題なんでしょうか。

石田 LINEモバイルのように、特定のサービスを利用した場合の通信料、いわゆるパケ代を無料にするサービスのことを「ゼロレーティング」【4】といいます。実は、今の日本の法律では、ゼロレーティングは違法と見なされる可能性がある。その理由は、ゼロレーティングを実現するためには、DPI【5】が必要だからです。

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