演歌は世界で通用するのか?
不況ばかりが伝えられる音楽業界において、業界団体「日本音楽事業者協会」、通称・音事協は演歌、歌謡曲の売り出しに力を入れていくという。アイドルやビジュアル系バンド同様、海外展開も視野に入れているというが、歌手でもあり、俳優でもある杉良太郎が、演歌、歌謡曲をめぐり、いち早く政界と組む動きを見せているという……。
演歌・歌謡曲の活性化を謳う音事協のHP。
先月号のニュースでも指摘しているが、やはり音楽業界の地盤沈下がすさまじい。今年1月には、オリコン週間CDシングルランキング(1月18日付)で、伍代夏子の「花つむぎ」が推定売り上げ枚数1849枚で20位にランクインしたが、1週間で2000枚を切る販売枚数でもベスト20に入ってしまうほどである。同デイリーランキングを見ると、状況はさらにシビアだ。今月6日付けのランキングで1位になったのはジャニーズのSexy Zone「勝利の日まで」だが、推定売り上げ枚数はわずか2801枚。3位に入っているNICO Touches the Walls「ストラト」に至っては、1434枚という体たらくで、4位以下の売り上げ枚数を想像すると寒気すら覚える。
そうした中、業界内では昨年あたりから日本音楽事業者協会(以下、音事協)を中心に、演歌、歌謡曲の復興に力を入れているという。
「最近は週刊誌も読者の年齢層を上げているようだけど、我々としてもお金を持っている、お金を使ってくれる世代に商売のターゲットをシフトしていくしかない。若い人たちの中でも、コアなファンはアイドルやアニメなどに投資するけど、これまでのように気になったCDを買ってくれるわけではない。逆に年配の人たちはお金にも、時間にもある程度余裕があるし、娯楽にお金を費やす習慣もある。コンサートにも結構足を運んでくれるしね」(レコード会社幹部)
こういった動きの背景には、2020年に開催される東京五輪の存在もあるようだ。